かつて花粉症の原因はスギ花粉と考えられていましたが、今やスギ花粉だけではなく様々な花粉が原因であることが判明しています。
その上、流行しやすい時期が限定的なものから、ほぼ通年にわたって花粉症に悩まされる人も出てきています。季節別に花粉症の原因として代表的な植物の種類を紹介し、それぞれの特徴を紹介していきます。
季節別の花粉症の原因となる植物の種類
花粉症の原因の代表は、スギやヒノキですが、カバノキ科のハンノキ、シラカンバ、イネ科の植物、キク科のヨモギ属やブタクサ属、アサ科のカナムグラなど、さまざまなものがあります。
これらは、それぞれ花粉の飛ぶ時期が異なりますので、どの植物の花粉にアレルギー反応を起こすかによって、花粉症の症状が現れる時期が異なってきます。
それでは、花粉症の原因となる主な植物を季節別にみてみましょう。
春に花粉が飛ぶ植物
春に花粉の飛散がピークとなるのは、ハンノキ(1月~6月)、スギ(2月~4月)、ヒノキ(3月~5月)、オオバヤシャブシ(3月~4月)シラカバ(4月~5月)、イチョウ(4月~5月)、ケヤキ(4月~5月)などがあります。
スギなどの背の高い樹木の花粉が飛散し、一年の中で一番花粉症の人が多くなる時期です。
季節的に風邪かな?と思いがちですが、鼻づまりが長く続く、鼻水が透明でさらさらしているなどの場合は、アレルギー性鼻炎(花粉症など)が疑われます。
夏に花粉が飛ぶ植物
初夏に花粉症を起こしやすくなる植物には、イネ科の植物があり、代表的なものにカモガヤ(5月~8月)、オオアワガエリ(5月~8月)などがあります。
イネ科の植物による花粉症は、目のかゆみやくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどスギ花粉症と同様の症状が見られるほか、皮膚のかゆみなどの全身症状が見られる場合もあります。
イネ科の植物には、雑草が多く、河川敷や道端に生息しています。
背丈が低いため、花粉は、飛んでも数十メートルの範囲くらいといわれています。花粉の飛散時期は、イネ科の植物が生息している河川敷や道端などに近づかないようにするだけでも、花粉との接触をかなり避けることが可能です。
秋に花粉が飛ぶ植物
秋に花粉が飛ぶのは、キク科のヨモギ(8月~10月)やブタクサ(8月~10月)、アサ科のカナムグラ(8月~10月)などがあります。
花粉症症状は、スギ花粉症と同様に、目のかゆみやくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどです。
日本全国の河川敷や道端など広く生息する雑草です。
背丈が低く、花粉はそれほど遠くまで飛ばないため、花粉の飛散時期には、これらの植物が生えている場所に近づかないことで、かなり花粉との接触を避けることができます。
地域によっては独特な花粉も
特定の地域だけに見られる原因花粉も存在します。北海道ではシラカバ花粉が有名です。シラカバによる花粉症は、古くからシラカバアレルギーとして知られていました。
花粉だけではなく、シラカバの皮粉末などでもアレルギー反応を起こす人がいるためです。
このように特定の地域だけに見られる花粉症も存在しますので、花粉症になった場合は、しっかりとアレルギー検査などで自分がどの花粉によってアレルギー反応を起こすのかを把握しておく必要があります。
最後に
花粉症はかつて春先に発症しやすいと考えられていましたが、このようにさまざまな花粉が症状を引き起こすことが判明しています。
とくに東北から南ではスギ花粉はほぼ通年にわたって飛来しており、ヒノキ花粉が4月から6月頃にかけて重なるので重症化しやすい傾向にあります。
また、秋から冬はヨモギとブタクサの花粉が多く飛来するので、花粉症の症状が重くなりやすい傾向があります。自分のアレルゲンを把握してしっかりと対処法をとっていきましょう。
では次は、花粉症の治療法についても知っておきましょう。