
脳梗塞と診断されると薬物療法が中心になります。主に使われる薬は、血液のかたまりを溶かす薬、脳を保護する薬、脳のむくみを取る薬、脳梗塞の再発を予防する薬に分けられます。そこで、今回は、脳梗塞で使われる代表的な薬についてご紹介します。
ウロキナーゼ・t-PA
ウロキナーゼは脳にできた血栓(血液のかたまり)を溶かす薬です。即効性のある薬で、脳梗塞の急性期では点滴として使われます。副作用もあるため、充分な観察のもとに投与されなければなりません。
t-PAとは、組織プラスミノゲン活性化因子という酵素で、強力に血栓を溶かす作用があります。脳梗塞発症後3時間以内の点滴治療に使われます。2005年より日本で使えるようになりましたが、重篤な合併症を起こす危険性もあるため、慎重な投与が必要です。
エダラポン
エダラポンは、脳を保護する薬で点滴治療で使われます。脳梗塞になると、血流が悪くなった部分や治療によって血流が再開した部分にフリーラジカル(身体に害を及ぼす因子の総称)が増加して脳細胞に障害をもたらすため、それを消去しなければなりません。エダラポンはそのために使用されるため、フリーラジカルベンジャーと言われています。
グリセオール・マンニトール
グリセオールとマンニトールは、利尿剤です。脳梗塞によって頭蓋内圧が上がり、脳のむくみがある場合に、むくみを取って頭蓋内圧を下げる効果がある薬で点滴治療に使われます。
この2つの薬の違いは作用効果の程度の違いで、マンニトールの方が強力です。脳梗塞の程度や患者さんの状態によって選択されます。
ヘパリン
ヘパリンは、血液の抗凝固剤で点滴治療で使われます。抗凝固剤とは血栓の生成を抑える薬です。脳梗塞の急性期に投与され、詰まりかけた血管が血栓によって完全に塞がれないようにしたり、できている血栓が大きくならないようにしたりします。病状が安定してきたら、内服薬に切り替えていきます。
ワルファリン・ダビガトラン・リバーロキサバン
ワルファリンは商品名をワーファリンとして広く知られている、抗凝固剤の内服薬です。脳梗塞の再発を防ぐために処方されます。
ワルファリンは血液をサラサラにする薬として説明され、他の手術や抜歯を受ける際には中止することもあるため、服用中は定期受診をすること、病院では飲んでいることを提示しなければなりません。
ダビガトランとリバーロキサバンは、ワルファリンと同じく抗凝固剤で、最近新しく承認された薬です。
アスピリン・パナルジン・クロピトグレル
アスピリンは、抗血小板剤の内服薬です。血小板の働きを弱めることで、血小板が活性化して血栓ができるのを予防します。脳梗塞の再発予防として処方されます。
パナルジン、クロピトグレルもアスピリンと同じく抗血小板剤として処方されますが、クロピトグレルは2006年に承認された薬で副作用に対する安全性が特徴とされています。
まとめ
脳梗塞で使われる薬について代表的なものをご紹介しました。これ以外にもたくさんの関連する薬があり、担当医が病状に応じて選択しますが、大事なことは指示通りに投与することと自己判断で断薬しないことです。