病気の中には風邪と似た症状を引き起こすものがあり、放置しているうちに悪化していたというものも珍しくありません。また、医師からの説明を受けてもよく理解できない症状のものも存在します。
中でも、クループ症候群と呼ばれているものに関しては、医師の説明を受けても混乱する保護者の方が多いようで、どのように対応したら良いのかという悩みを多く見かけます。
ここでは、クループ症候群とはどのようなものなのかや他の子にうつってしまうのかなどを説明していきます。
クループ症候群とは
クループ症候群とは、喉の粘膜に関する一連の症状のことを言い、特定の病気を示すものではありません。
その症状には喉の粘膜の腫れ、呼吸困難、咳などがあり、初期段階で通常の風邪と見分けるのは難しく、細菌やウィルスによって引き起こされます。
クループは偽膜のことを指していて、かつて原因菌であったジフテリアに感染すると、粘膜に偽膜を生成することからクループ症候群と呼ばれています。
現在では、ジフテリアが原因のクループ症候群はほとんど見られず、原因のほとんどはパラインフルエンザウイルスなどのウィルスが原因となっています。
クループ症候群はうつるの?
クループ症候群、そのものについては感染するとは言えません。あくまでも喉周辺に表れる様々な症状の総称なので、そもそもクループ症候群が感染するという表現が間違っています。
クループ症候群を引き起こす原因となるウィルスは感染性のものです。そのため、原因となるウィルスが他人へうつることがあります。
現在、原因ウィルスとなっているパラインフルエンザウイルスの潜伏期間は2日から6日で、1週間にわたりウィルスを撒き散らすということが分かっています。
ですので、クループ症候群と診断された場合、症状が落ち着くまで安静にさせるようにしたほうが良いでしょう。
登園・登校について
保育園や幼稚園、学校などへ行かせる場合は、基準がそれぞれ異なりますので、通わせている施設へ問い合わせるようにしましょう。
クループ症候群は軽症で済むことがほとんどですので、咳が出なくなれば問題なく登園や登校ができるでしょう。
傍目に見て症状が落ち着いたように見えても、医師の診断を受けた上で判断するようにしましょう。感染などを防ぐ意味では安全性が違ってきます。
最後に
クループ症候群と響きから何か重たい病気のように思われがちですが、5-6歳以下の乳幼児は何度もクループ症候群にかかってしまうことがあります。
これは原因ウィルスに対するワクチンが無く、経過観察をしながらの対処療法しか方法がないためです。原因ウィルスは1つではありませんので、ワクチンが開発されているものもありますが、そうでないものもあります。
現在主要な原因となっているウィルスに関しては、喉の腫れを抑えて気道を確保して呼吸を楽にさせるように対応する以外の方法が見つかっていません。
保育園や幼稚園に通わせる場合は必ず医師の診断を受けてからにしましょう。