辛い蓄膿症の症状。仕事や勉強、家事なども手につかなくなってしまったり、イライラしたりと日々の生活にも支障をきたします。
治療には主に抗生物質を用いた治療が講じられますが、漢方による治療も可能です。そこで今回は、蓄膿症におすすめの漢方をご紹介したいと思います。
目次
蓄膿症への漢方薬の効果
蓄膿症は正式な医療名称ではなく、正式には副鼻腔炎といいます。鼻の穴である鼻腔に続く副鼻腔といわれる上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)という、左右に存在するこれらの部分に炎症が生じることで、鼻の粘膜が腫れることをさします。
この部分に炎症が起きると、鼻づまり、黄色や緑色など有色の鼻水が出る、不快な臭いがする、顔面痛、歯痛、頭痛などさまざまな症状が現れます。
蓄膿症の原因には、風邪やウイルス感染による細菌性のもの、鼻腔と副鼻腔の間にある自然孔になんらかの原因によって炎症が生じ、腫れてしまうことなどが挙げられます。
主な治療としては、鼻通りを良くするための鼻洗浄に、抗生物質を用いた治療が行われますが、抗生物質が体に合わなかったり、お子さんの場合は不安もあるかと思います。そこでおすすめしたいのが漢方による治療です。
漢方は自分の体の特徴ごとに処方されるため、安全性も高く効果も実感できます。次の項では蓄膿症治療におすすめの漢方をみていきましょう。
蓄膿症におすすめの漢方薬一覧
1.葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
葛根湯という風邪の治療にも用いられる成分に加え、血流を良くすることで体を温めてくれたり、痛みを抑える効果のある川芎と、鼻炎に効果のある辛夷を加えたもので、蓄膿症による鼻水や頭痛に効果が期待できます。
2.辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
鼻炎を抑える効果のある辛夷に、黄芩、サンザシなど9種類の生薬を配合した漢方で、鼻づまりや不快な臭いの原因となる膿の排出を促してくれます。
3.荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
黄芩やキキョウなど17種類の生薬を配合した漢方で、蓄膿症のほかニキビ、慢性鼻炎、慢性扁桃炎などさまざまな症状に効果が期待できます。
4.小青竜湯(ショウセイリュウトウ)
麻黄(マオウ)や芍薬(シャクヤク)など9種の生薬を配合した漢方です。抗アレルギー、抗炎症作用が期待できます。
まとめ
辛い蓄膿症の症状。我慢せずに漢方の力を借りて治すことも一手です。
漢方は自己判断ではなく、調剤薬局や漢方の専門店などでご自身の体質に合ったものを選んでもらうことをおすすめします。