幼少期に手術を経験した人(筆者は二十歳に経験しました)もいるかもしれない、盲腸といわれる病気。正式には虫垂炎と呼ばれ、盲腸の先にある虫垂が炎症を起こしている状態です。今回は、その盲腸が破裂する原因と手術法について解説していきます。
盲腸について
比較的安易に見られやすいこの病気ですが、発見や対処が遅れると盲腸が破裂する可能性があります。イメージ通り、身の毛がよだつ恐ろしいものです。
盲腸が破裂した状態、正式には虫垂炎の合併症といわれる腹膜炎、特に盲腸の破裂が原因のものは盲腸性腹膜炎と言います。この病気はかなり深刻で、死に至る場合もあります。
破裂する原因
まず、「なぜ盲腸が破裂するのか」です。理由は「自覚があまりなかったりする」や「原因が分からない」などで、放置してしまうことで虫垂に穴が開いてしまい、膿が流れ出してしまうためです。
腹膜炎はこの流れ出た膿が消化器官の外部にある腹膜に移った状態を指します。症状は虫垂炎とさほど変わりませんが、虫垂炎にくらべ激しい痛みが襲います。
手術法と対策
腹膜炎の怖いところは、「炎症が激しく高熱状態になってしまう」などで手術がすぐに行えずに、入院が長期化することです。まず、抗生剤で炎症を抑えないと麻酔が使用できないためです。(その間は絶食です)
そして、炎症が治まったら、腹膜炎の手術は膿の摘出・洗浄だけでなく膿が止まらない状態のため、外へ流すためのチューブを取り付けます。
そのため1ヶ月ほど入院をする必要があり、病院の数も限られます。手術後の予後もあまりよくなく、人工呼吸器を頻繁に使用する機械も多い。そのため、かなり苦しい生活を強いられます。
さらに言うと腹膜炎は併症であるため定義としては「虫垂炎+腹膜炎」という扱いになり、治療費もより加算します。よって腹部に強烈な痛みを感じた時点で外科の受診をするのが望ましいです。
実際、虫垂炎と診断された時点で即手術を行う場合がほとんどです。(併病がある、入院ができないなどよほどのことがない限りですが…)
ただこの痛み、盲腸だろう、と思わない部分が傷む場合もあり発見が遅くなる場合もあります。
筆者が虫垂炎を起こしたときは、最初胃の部分に激痛がおこり、夜間だったため緊急で入院し診断となりました。(夜勤医師は内科の先生ではっきりは言えないが盲腸かもしれないと予見していたそうです)
そして、翌日外科の医師に虫垂炎とはっきり断言され即手術になりました。(切らないことによるメリットはないとのことでした)
まとめ
これは、どの病気でもいえますが早期発見が何より大事。特に盲腸は痛みがまったくない、ということは滅多にないので見逃す、ということはそうそうない筈です。もしかして、とおもったらまず受診しましょう!