口を開けたときに見える、左右対称のこぶしのようなものを扁桃腺といいます。扁桃腺の腫れを何度も繰り返すと慢性扁桃炎となり、扁桃腺が腫れるたびに高熱が出て大変な思いをしてしまいます。
今回は、そんな繰り返す扁桃炎の治療法のひとつ、扁桃腺切除手術について調べてみました。正式には、「扁桃腺摘出手術」と呼ばれますので、ここからは扁桃腺摘出手術で統一していきます。)
目次
扁桃腺摘出手術を受けた方が良い人
繰り返して扁桃炎になる
扁桃炎とは、細菌やウイルスが扁桃について起こる病気です。急性の場合は抗生剤の服用などで完治して、繰り返すことはそれほど多くなりません。
しかし1年に4〜5回以上扁桃炎になり高熱が出る、風邪をひく度扁桃腺を腫らす、溶連菌による扁桃炎を繰り返す、抗生剤が思うように効かないなどで医師にすすめられた場合、手術の適用になります。
扁桃炎によって他の病気を併発する
扁桃炎が原因で腎炎やリウマチ様関節炎などののどの病気を併発する可能性が高い人は、手術した方が良い場合があります。
扁桃腺が大きいため様々な弊害がある
生まれつき扁桃腺が大きいためいびきがひどく、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」になると、肺や心臓に悪影響を及ぼすことがあります。子どもなら発育にも影響が出ることもあるため、切除をすすめられます。
扁桃腺摘出手術とはどのようなものか?
扁桃腺摘出手術は耳鼻咽喉科で行います。今はほとんどが全身麻酔で行うため、入院が必要になります。手術の流れとしては、点滴などの術前の処置を行った後に手術室に向かいます。
全身麻酔下で頭を下げた状態にして、口を大きく開けます。扁桃腺の周りの皮膚を剥がして扁桃を取り除きます。その後麻酔を覚まして手術が終わります。手術時間は1時間から2時間くらいでしょう。
費用と入院期間
一般的に入院期間は1週間から10日となります。病院によっては5日ほどというところもあります。費用は入院期間によって大分違いますが、だいたい7万円から20万円くらいです。
ほとんどの場合高額療養費の対象となりますので、前もって限度額申請をしておくことで病院の会計時に限度額のみを支払うだけで済むので便利です。ただし部屋代や食事代、ベット代などは別になります。
扁桃腺を切るデメリット
どんな手術でもある程度のリスクがあります。術後の注意点としては、
- 出血
- 咽頭痛
- 味覚障害
- 声の変化
- 舌の違和感
- 発熱
- 食べ物が鼻にまわる
などがあります。
いずれも普通は徐々に改善してきます。その他にも、熱いお風呂は避けて強く鼻をかむことは良くありません。
術後しばらくの間はやわらかいものを食べるようにしましょう。はじめは食事をするのに違和感がありますが、栄養を摂って体力を回復させるためにしっかり食べましょう。
まとめ
扁桃腺摘出手術をすすめられたら、耳鼻咽喉科の医師と良く相談して、体調の良いときにすると良いでしょう。入院施設の無い診療所の医師から紹介状をもらったら、早めに手術が出来る病院を受診してください。