あなたは日ごろストレスを感じていますか?現代の日本では子供から高齢者に至るまで、さまざまなストレスがかかっていく一方で、解消する手立てや時間がなくためていってしまう傾向にあります。
社会と関わって生活をしていくためには、ストレスフリーは完全に実現することは難しいですが、少しでもストレスレベルを下げたいものですよね。
そんなストレスの可視化が可能になったのが、唾液アミラーゼの検査です。そこで、今回は、唾液のアミラーゼとストレスレベルの関係についてご説明したいと思います。
アミラーゼってなに?
ストレスを測る指標は、これまで問診を中心とした本人の主観に基づく判断が主体でした。
ですが、これには自分が感じていないほどのストレスや自らストレスを訴えられない人にとっては、ストレスが見過ごされてしまう可能性が高く、ストレスを原因とする、鬱や疾患を招く原因となっていました。
しかし、近年、唾液のなかに含まれるアミラーゼという成分を調べることによって、その数値からストレスレベルを測定することが可能になったのです。
アミラーゼとは、膵臓や唾液で作られる消化酵素のひとつです。主な働きとしては、でんぷんを分解して糖を作り出します。
膵臓由来のアミラーゼを「P型アミラーゼ」、唾液腺由来のアミラーゼを「S型アミラーゼ」と呼び、通常膵臓由来が約40%、唾液腺由来が約60%を占めます。
血液検査などでアミラーゼの量が高いか低いかを調べることによって、膵臓と唾液腺どちらかに異常があるかどうかを調べることもできます。アミラーゼの量が高い場合には、膵臓がんや膵炎、腎不全、唾液腺疾患が疑われます。
これは、これらの疾患に関わる臓器の機能が低下することから、排せつや消化がうまく機能せずに、アミラーゼが血中に残ってしまうためです。
一方、アミラーゼの量が低い場合には、慢性膵炎や肝硬変、糖尿病などが考えられます。そして、ストレスが大きい時も、アミラーゼの値は上昇することがわかっています。
どうしてストレスレベルがわかるの?
では、なぜストレスもアミラーゼの値からわかるのでしょうか?唾液はもともと血液が元となっていますが、ストレスを受けると血液中の濃度が変化し、アミラーゼの値も高くなるといいます。
また、ストレスを受けると、脳の視床下部を通して交感神経が緊張し、興奮状態になります。すると、体内ではこの状態から体を守ろうとする作用が働き、毒物を分解する各種酵素とともにアミラーゼが活性化するため、高いストレスを受けていると、アミラーゼの量もそれに比例して値が高くなるということなのです。
また、ストレスの他にも暴飲暴食は消化器系に負担となるばかりか、消化のための酵素が多く分泌されますので、アミラーゼの値も高くなります。
検査自体は専用の機械に測定チップをはめ、約30秒ほど口でチップをかんでいると測定ができるという簡便さです。会社で積極的に取り入れて、社員の福利厚生の向上に役立てている会社もあるようです。
まとめ
ストレスが唾液にあるアミラーゼという成分から測定できるようになりました。これまでストレスは「感じる」ものだったのですが、これからは「見える」ものに変わわっていくのかもしれません。
測定してストレスがあることよりも、そもそもストレスをためない生活が大切なのは変わりません。自分なりのストレス解消法を身に着けておくこともお忘れなく。