口の中に水ぶくれができるというと、熱いものうっかり食べたり飲んだりしたときに口の中をやけどしてしまった時や、うっかり口の中を噛んでしまった時にできることが多いですね。
ただ、心当たりがない水ぶくれができている場合は何かの病気の徴候かもしれませんので侮れません。ここでは、口の中に水ぶくれができる原因として考えられる病気についてまとめていきます。
やけど
やけどは病気ではありませんが、カタル性口内炎の原因となります。水ぶくれだけでなく、舌が腫れて味覚に障害がでたり、やけどをした部分がヒリヒリと痛んだり、ざらざらした感じになって皮がむけたりと食事をとる妨げとなる症状が出ます。2週間ほどで自然治癒するのが普通ですが、治癒しないようであれば病院を受診してください。
口の中をやけどした場合の応急処置としては、まず氷をしゃぶってすぐに冷やすことです。その次に砂糖やはちみつを舐めるのもやけどの後の痛みを和らげるのに効果があります。あわてて食事をするとやけどをしやすいので、落ち着いて食べるように注意することです。
単純疱疹
ヘルペスの中で最も一般的で、単純ヘルペスウイルス1型によって発生します。感染経路は、咳をした際に口の外にまき散らされた唾液などによる飛沫感染や感染者との直接の接触による直接感染があります。
唇の周りにできやすく、感染時はヒリヒリした痛みがありますが、徐々に水ぶくれとなり、最終的にはかさぶたができて治癒に至ります。
初感染時には症状は出ませんが、初感染後に潜伏したウイルスによって再発した際に水ぶくれなどの症状が出ますが、この時点では免疫ができているため重症になることは少なく2週間程度で治癒します。
時間が経っても症状が改善されず、再発を繰り返す場合は皮膚科を受診してください。抗ウイルス薬が処方されることが多いです。
帯状疱疹
子供の頃に水疱瘡に感染した人の体内の神経節に、水疱瘡の原因となった痘・帯状疱疹ウイルスが潜伏しており、体調不良やストレスなどで免疫力が低下したときに、口の中に帯状疱疹となって現れてくることがあります。
発症初期には痒みがでますが、やがて赤みを帯びた後、水ぶくれになります。水ぶくれがひいた後はかさぶたとなり治癒します。
神経の走っている線に沿って症状が現れますが、人間の神経系路は左右に分かれているので、片側にのみ発症するのが特徴です。
ただし、左右両側に現れる多発性帯状疱疹もあります。単純疱疹と異なり人からの直接感染で発症することはありません。
このウイルスは神経に関係しているため、水ぶくれが治癒した後に帯状疱疹後神経痛が発症することが多く注意が必要です。痛みがひどい場合は神経ブロック療法などがとられることがあります。ペインクリニックの受診も有効です。
まとめ
口の中に水ぶくれができた場合、単純疱疹も帯状疱疹、どちらも水ぶくれの中にはウイルスが入っていますのでむやみに潰さないことが大切です。
潰してしまうと化膿したり、跡が残ったりします。2週間から3週間で治癒しますので、その間は栄養と休養を十分にとり抵抗力が下がらないように注意することです。