咳をするときに胸の痛みを感じた経験のある方は少なくないと思います。胸といっても肺や心臓、気管支などさまざまな器官が含まれており、考えられる原因も多岐にわたります。
そこで今回は、咳をすると起こる胸の痛みの原因と対処法をご紹介したいと思います。
咳をして胸が痛む原因一覧
では、さっそく咳と胸痛が同時に起こることで考えられる原因をみていきましょう。
1.肋骨骨折
激しい運動をしている方や、引っ越しなど重いものを持った、転倒などにより衝撃が加わったなどの外傷によるもののほか、老人や女性など骨がもろくなっていることが原因で起こります。胸骨とつながっている肋骨に骨折が生じると、咳や呼吸時に痛みを感じます。
2.肋間神経痛
肋骨にそって存在する神経に咳や体のひねりといった衝撃が加わることで痛みを感じます。原因として、帯状疱疹の後遺症や変形性脊椎症がある可能性が指摘されています。
3.胸膜炎
肺の表面や内側を覆っている膜に水がたまってしまい、炎症が起こる病気です。胸痛のほか、発熱やだるさなどもともなうことがあります。
4.肺炎
肺炎球菌やインフルエンザウイルスによる感染が原因となって起こる肺の炎症で、日本人の死因第3位というほど危険な病気です。症状は咳のほか胸の痛み、膿の混じった痰、呼吸困難や発熱、倦怠感などが挙げられます。
5.肺がん
肺にがんが生じることで胸痛のほか、血痰、背中の痛み、体重減少などさまざまな症状が現れます。原因の7割は喫煙によるものだといわれています。
6.気管支炎
風邪による炎症が気管支にまで拡大したことにより、痛みと咳、痰、食欲不振などがみられます。比較的治りやすい病気ですが、悪化すると肺炎に発展してしまう可能性もありますので早期の治療が肝心です。
咳をすると起こる痛みの対処法
咳と同時に起こる痛みを治すためには、何が原因となって咳、そして痛みが生じているのか特定することが悪化を防ぐうえでも重要です。
そのため、早期に病院での受診を受け、レントゲンやCTによる検査を受けることをおすすめします。また、血液検査によって何か異常が隠れていることも発見できますので、きちんと受診してみましょう。
もし検査によって原因が特定されたら、医師の指導のもと適切な治療を行いましょう。治療には痰を取り除く去痰剤や、神経の痛みを軽減するブロック注射、そしてがんなどの場合は手術が講じられることもあります。
こうした専門家による治療以外でも自分で行える対処法を実践することも大切です。まず、喫煙は肺がんのリスクを高めるだけでなく、気管支や肺の機能の低下も招きますので、早めに禁煙に踏み切ることをおすすめします。
そして、生活環境におけるほこりやダニといった物質も肺にゴミがたまってしまい、咳の症状を悪化させることにつながりますので、なるべく掃除はこまめにし、清潔な環境にしましょう。
まとめ
咳とともに胸に痛みが走るという方は、すみやかに病院で検査を受けることをおすすめします。
異常がなくても、重篤な事態に陥らないためにも、生活習慣と環境の改善は健康へのもっとも安くて早い近道です。ぜひ、今からできることを実践してみてくださいね。