近年、美容や健康に対する関心は男女問わず高まっていて、足を細くするためのマッサージや、ふくらはぎに溜まった老廃物を流すためのマッサージなどのセルフケアをしている人も多いのではないでしょうか?
ふくらはぎの痛みがある場合、もみほぐすにも、痛みをしっかり感じるほど行った方がいいのか、さする程度の方がいいのか、また、温めた方がいいのか、冷やした方が効果的なのか、などさまざまな疑問があり、自己判断ではなかなか難しかったりしますよね。
ここでは、ふくらはぎの痛みと健康との関係についてご紹介致します。
ふくらはぎの痛みの原因は?
私たちのからだが健康を維持するためには、血液循環が正常に行われることにより、からだに必要な酸素や栄養素を運ぶことや、体内に入ってきた細菌や有害物質を排出することができます。
からだの中を巡っているのは、血管の中の血液だけでなく、網目のように張り巡らされたリンパ管の中にはリンパ液があります。
ふくらはぎの筋肉は、心臓から送り出された血液を循環させるために押し戻す大切な役割をしています。
このふくらはぎの筋肉が疲労や過度な運動などで、硬くなることにより弾力性が弱くなり、痛みがでることがあります。
筋肉の痛みであれば、急性期は傷ついた筋繊維を冷やし安静を保ち、慢性的な痛みは温めてからマッサージを行うことが有効とされています。
一方リンパ液の流れは、毛細血管からしみ出た老廃物が、リンパ管に集められ最終的には浄化され、鎖骨下静脈に流れていきます。
ポンプの働きをするものもないため、ふくらはぎなどの筋肉の動きや呼吸をしたりすることで助けられ、とてもゆっくり流れています。
リンパ液の滞りによるふくらはぎの痛みは、ゆっくりとしたリンパ液の流れにそって、かかとの方からひざ裏に向かって、下から上の方向へ力を加えずに基本そっとさするくらいの弱さで流すことにより、徐々に改善されていきます。
ふくらはぎのリンパの滞りは病気のサイン?
リンパの働きは、組織の中にしみ出した余分な組織液を回収していきます。組織液の中には、さまざまな老廃物、ウイルスや細菌、がん細胞なども含まれています。
リンパ管の途中にあるリンパ節は、からだに害があると判断したものをろ過し、全身に細菌などがまわってしまうことを防ぐ役割をします。
健康状問題がなければ、重力の関係で多少の足のむくみがあっても、休息をとったり、睡眠中に少し足の方を高くして休んだりすることにより、改善されるので心配はいりません。
しかし、足のすねの部分を指で押してみて跡が残ったり、手もむくんでいるようなこわばりがあったり、顔の部分も一時的なむくみではなく慢性的にむくんでいるような場合は、なんらかの病気にかかっている可能性もあります。
その場合は、外部からふくらはぎのマッサージなどを行っただけでは改善されず、適切な病気の治療が必要になります。
内臓機能の病気の糖尿病性腎症の場合は、足のむくみの他、食欲低下や胸苦しさがともなったり、甲状腺機能低下症の場合、足だけでなく手や顔などにもむくみがみられたりすることもあります。
立ち仕事の人や出産を経験したりした人などにみられることのある下肢静脈瘤などは、むくみや足のだるさをそのままにしていると、見た目にもはっきりとわかるような静脈が浮き出てきて進行すると手術が必要になってきたりします。
長く改善されない足のむくみなどがある場合は、自己判断の対処で済ませず、医療機関で検査をしてもらいましょう。
最後に
乳がんや子宮がんなどの手術後や放射線治療後などでも、リンパの流れの滞りが起こります。
筋肉をマッサージするような強めのものではなく、からだの末端から心臓の方向にむかって、さするように医療機関専門のリンパマッサージがあります。
ふくらはぎのマッサージは、血流改善やリンパの流れを助けるために、さまざまな病状や体質に合わせた方法で行いましょう。
また、ストレスなどで自律神経の乱れなどがあると、毛細血管が収縮してしまい、血流やリンパの滞りが起こります。
免疫機能の回復には、普段から、糖分・塩分の摂り過ぎに注意しながら、必要とされる栄養素を摂取し、適度な運動やぬるめの入浴などでリラックスするなど、からだと心のメンテナンスを心がけることが大切です。