小さい頃に外で遊んでいて毛虫に刺されたという経験がある方も多いのでしょうか。ケムシと一口に言っても、その種類は様々ですが、中には毛に毒を持ったものもいます。
その代表的なものがチャドクガです。ここでは、チャドクガに刺されることで発症するチャドクガ皮膚炎の症状やおすすめの市販薬についてまとめていきます。
チャドクガとは
チャドクガとは、漢字で「茶毒蛾」と書くように茶色で毒をもった蛾です。チョウ目ドクガ科に属しており、日本を代表する蛾の1種だとされています。
幼虫であるケムシは、全身を「毒針毛(毒のある針状の毛)」で覆われていて、この毛が肌に刺さることで皮膚炎を引き起こします。
幼虫の発生時期は、一般的に4-6月と8-9月の年2回とされていますが、年によっては3回発生することもあるようです。
また、ツバキやサザンカ、チャノキといったツバキ科の植物を主な餌としているので、ツバキ科の植物を育てているという方は注意が必要です。
チャドクガ皮膚炎
続いて、チャドクガに刺されると発症するチャドクガ皮膚炎の原因や症状、治療法について見ていきましょう。
原因
チャドクガの毒針毛に刺されることが原因です。ただし、毒針毛は抜けた後やケムシが死んだ後でも毒性があるので、直接触れなければ安全という訳ではありません。
症状
毒針毛に触れた後、2-3時間ほどして痒みや腫れ、ただれなどの症状が起こります。また、2回目以降からは、体内で抗体ができることで、アレルギー反応を起こすことがあります。
ひどい場合には、全身に痛みや痒みが生じたり、発熱やめまいといった症状が引き起こされることもあります。また、ハチなどと比べると劇症性はないものの長期にわたって症状が続くという特徴があります。
治療法
刺されたかもしれないと思ったら、時間をかけて流水で洗い流しましょう。その後で、ステロイドを含んだ塗り薬や抗ヒスタミン薬軟膏などを塗るようにしましょう。(記事の後半では、おすすめの市販薬も紹介しています。)
あまりに症状がひどい場合には、皮膚科の病院に行き、しっかりとした治療を受けるようにしましょう。
また、民間療法として「温熱療法」というものがあります。これは、チャドクガの毒がタンパク質でできていて、タンパク質が熱に弱いとう特性を生かした治療法になります。
具体的には、43℃以上のお湯を患部に20分以上かけ、その後で保冷剤やアイスノンなどで冷やすといった方法です。(あくまでも民間療法なので、参考程度にお読みください。)
おすすめの市販薬一覧
最後に、チャドクガに刺されてしまったときにおすすめの市販薬を一覧にして紹介していきます。
フルコートf
田辺三菱製薬から販売されている「フルコートf」には、抗炎症作用のあるステロイド成分のフルオシノロンアセトニドや抗生物質のフラジオマイシン硫酸塩といった成分が含まれていて、皮膚の炎症や化膿を抑えてくれます。
また、フルコートfについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
ベトネベートN軟膏AS
第一三共ヘルスケアから販売されている「ベトネベートN軟膏AS」には、ベタメタゾン吉草酸エステルというステロイド成分やフラジオマイシン硫酸塩という抗生物質が含まれていて、皮膚炎の症状に効果があります。
ムヒアルファEX
池田模範堂から販売されている「ムヒアルファEX」には、抗炎症効果のあるPVAという成分や痒みを抑えてくれるジフェンヒドラミン塩酸塩などが配合されています。
「虫刺されにはムヒ」とも言われているように、上の2つと比べて虫刺されに特化した市販薬になります。
また、ムヒアルファEXについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
ちょうど今くらいが、チャドクガの幼虫が発生する時期にあたります。ガーデニングを趣味にしている方や庭師の方は刺されることのないように、また、刺されてしまってもケムシだからと甘く見ずに適切な対処ができるようにしておきましょう。