みなさんは水下痢を経験したことがありますか?その名の通り水っぽい排便を指します。通常、健康的な便には60~70%の水分が含まれています。これは消化液や摂取した食べ物に含まれていた水分が合わさっていて、程よい硬さの便が形作られてから排出された状態です。
しかし、この水分量を上回ると下痢を引き起こし、90%近くの水分となると、冒頭に挙げた「水下痢」となります。ここでは、そんな水下痢に加えて吐き気や下痢といった症状が併発した際に考えられる原因と対処法についてまとめていきたいと思います。
目次
水下痢の原因は?
水下痢の原因としては、いくつかの症状、病気が挙げられます。主だったものをみていきたいと思います。
食中毒
そもそも下痢は体内に取り込まれた異物に対する防御反応です。ウイルスのついた手で調理されたり、ウイルスのついた食品を摂取することなどにより、体内に菌が入り込むと外へそれらを出そうとする働きが生じ、激しい腹痛とともに下痢となることがあります。
ウイルス性腸炎
代表的なものとしては、まず、ノロウイルスが挙げられます。他にも子どもが感染しやすいロタウイルスや菌に汚染された魚介類や水を介して感染するコレラなどがあります。非常に強い感染力をもち、激しい下痢や腹痛を引き起こします。免疫力の低い子供やお年寄りなどでは死に至ることさえあります。
アレルギー
食物アレルギーで腹痛や水下痢を起こすことも考えられます。これまで食べても平気だったものでも、遅延型のように体内に蓄積してアレルギー反応を起こすものもありますので考慮に入れる必要があります。
暴飲暴食
食べ過ぎや飲み過ぎにより、消化が追い付かなくなり、胃や腸に過度な負担をかけてしまうことで腹痛や吐き気、水下痢といった症状が引き起こされることがあります。
ストレスや自律神経の乱れなど
その他に食べ物やウイルス性の原因が考えられない場合は、ストレスや自律神経が乱れるなど、生活習慣に起因するものや心因性のものもあります。受診して胃カメラやレントゲンでも異常がなかった場合などに考えられます。
それぞれの対処法は?
では、腹痛や水下痢が起きてしまったとき、どのように対処すれば良いのでしょうか?ポイントは考えられる原因にあった対処法を行なうことです。
ウイルスや食中毒の場合
ウイルス性の感染、食中毒などに原因が考えられる場合は、体から菌を出そうと戦っている最中ですので、水下痢や腹痛は辛いですが、下痢止めは服用しないようにしましょう。体からウイルスを出し切るまで出してしまうのが最優先となります。
アレルギーの場合
アレルギーですが、呼吸困難など重度の症状が出た場合は、救急車を使ってですぐに病院に行きましょう。そうではない場合も異物と認識したものを排出しようとしていますので出し切るまで待ちましょう。待ってからアレルギー科や内科を受診して検査し、以後該当する食品には気を付けましょう。
精神的なものの場合
ストレスや自律神経の乱れからくる下痢ですが、これは急性のものもありますが、多くは頻繁に起こったり、慢性化しやすい傾向にあります。こちらの場合は、何が原因というわけではないので、下痢止めを服用しても大丈夫です。しかし、抗生物質などは下痢を引き起こすこともあるので注意が必要です。
脱水症状にはどう対処すべき?
水下痢でつらいのは脱水症状です。食べ物の摂取は下痢を増長してしまう可能性もあるので、しばらく食事は控え、水分をしっかりと補ってください。水分も冷たい水やジュースではなく、白湯や常温のお茶、スポーツドリンクなどにしましょう。
まとめ
なってしまうと、一刻も早く治したい水下痢と腹痛。しかし、原因によっては対処が異なりますので、一概に下痢止めを服用するのはやめましょう。そして、何より脱水症状により体がさらに弱ってきますので、水分の摂取をしっかりと行ってください。
腹痛、下痢がひどく、適したものを買いに行けない場合は、500ミリリットルの水に1.5グラムの塩(小さじ3/10程度)、砂糖20グラム(大さじ2程度)を混ぜると、手作り経口補水液ができます。がぶがぶ飲むのではなく、細めに摂取してみてくださいね。