
脳は人間にとって重要な臓器であり、また、修復能が著しく低いことも知られています。したがって、脳に対する疾患、異常に対しては細心の注意を払って早め早めの対処がとても重要です。今回は、激しい頭痛と吐き気の症状が同時に現れた場合の原因について調べてみました。
くも膜下出血
くも膜下出血は脳内の血管が破れ、脳を覆っている軟膜、くも膜の間に血液が充満してしまう病気です。出血の原因としては動脈瘤の破裂などがあり、出血が広がると、いきなり鈍器で殴られたような激しい痛みに襲われます。治療が遅れると重大な後遺症が残ることになりますので、すぐに病院で治療する必要があります。
髄膜炎
髄膜炎は、髄膜がウイルスや細菌の感染することによって引き起こされ、脊髄を覆う軟膜に生じる炎症が頭痛、吐き気の原因になります。ウイルス性髄膜炎は自然治癒されると言われており、過度の心配はいりませんが、必要に応じて消炎鎮痛薬を処方します。
細菌、真菌によって引き起こされる髄膜炎の場合には、脳に菌が侵入し脳障害が生じる可能性がありますので速やかに抗菌剤を処方します。
脳腫瘍
脳腫瘍は、脳に出来るガンで、ガン組織が増大することで頭蓋骨内を圧迫し頭痛、吐き気を引き起こします。一般的に脳腫瘍の初期症状には頭痛などが現れることはそれほどなく、腫瘍が大きくなってから症状が現れます。
脳腫瘍の治療には外科的手術、放射線治療、化学療法がありますが、特に放射線治療の中でも最近では粒子線治療が脳腫瘍に効果的であることが示されており、今後の保険収載も検討され始めています。
脳動脈解離
動脈は3つの膜に覆われていますが、うちの一番内側の内膜が破れて血液が流れ込み、脳内の動脈が裂けてしまう病気を「脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)」と言います。
交通事故などの強烈な外傷によって引き起こされますが、通常のスポーツや首をひねっただけでも起こることがあります。痛みを生じると数日中に脳卒中になることがありますので、気になる症状が現れたら速やかに病院で検査を行いましょう。
慢性硬膜下血腫
頭などをぶつけることで、頭蓋骨内の硬膜、くも膜の間に出血が起きて血の塊ができた状態を「慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくけっしゅ)」と言います。血の塊が小さいうちは無症状ですが、出血が増えて塊が大きくなると脳を刺激して頭痛が現れます。
頭をふると頭痛がひどくなるのも特徴的な症状です。悪化すると手足のしびれ、歩行障害、認識障害なども現れてきます。それほど強い衝撃でなくとも血腫ができる場合がありますので、少しでも不安に感じた場合は病院で検査を受けましょう。
まとめ
一言に頭痛と言っても原因は様々で、治療も大きく異なります。脳は繊細な臓器で自己治癒をほとんどしないため、後遺症が残りやすくなってしまいます。日頃から注意をして何らかの異常を感じたら適切な対処が出来るように気をつけましょう。