
健康な爪であれば、うすいピンク色をしていますが、爪の色は血液の色が関係しています。本来からだに必要量の酸素が含まれた血液は、鮮やかな赤色をしていますが、酸素が足りていない血液は、紫色になります。
血液の中の酸素の量が少なかったり、血流が悪化したりすると、顔などの肌の色や爪などが紫色になります。そのような紫色になった状態はチアノーゼと呼ばれています。
爪が紫色になる原因には、肺機能や心臓機能に異常が起こり血液を十分にからだ全体に送り出す力が低下していたり、貧血などで血液中の酸素量が低下していたりさまざまなことが考えられます。
ここでは、爪が紫になる病気についてご紹介致します。
悪性貧血
貧血になると、血液中の酸素を十分に運べなくなり、爪の色がピンク色から白っぽくなってきます。もっと貧血が進行すると、白っぽい爪から青紫色の爪に変化します。
貧血にも鉄欠乏性貧血などいくつかの種類がありますが、悪性貧血は、ビタミンB12と葉酸の不足により起こります。
ビタミンB12や葉酸が不足すると赤血球が増えていかずに、赤血球になる細胞分裂がうまくできず、赤血球になる前の巨赤芽球が骨髄の中に溜まってしまうことから「巨赤芽球性貧血」ともいわれています。
胃の中のタンパクのひとつの因子が不足すると、ビタミンB12をからだの中にうまく吸収できなくなることもあります。
菜食主義の人などで、肉類をあまり食べない人や、胃の手術をしてから5年前後の人などで悪性貧血の症状が現れたりすることがあります。
通常は、不足しているビタミンB12や葉酸を補う治療をおこないますが、胃の中に吸収をする因子がない場合には、プラスその因子の注射を一生継続していかなければなりません。悪性貧血は、医療機関での検査・治療が必要です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
喫煙習慣などがある中高年に多い病気で、タバコの煙などを長期に吸入したことにより生じた肺の炎症性疾患です。
肺気腫や慢性気管支炎などの病気の総称を、慢性閉塞性肺疾患といいます。タバコの吸引などにより、肺の中の気管支に炎症が起き細くなり、空気の流れが低下します。
進行し肺胞が破壊される肺気腫になると、酸素を取り込んだり、二酸化炭素を排出したりする肺本来の機能が低下することにより、指先の爪にも症状が現れ紫色になってきます。
からだを動かしたときの息切れや、慢性的に咳や痰などの症状があります。喘息などを合併する場合でも発作時には、爪が紫色になることがあります。
心不全
心臓の働きが弱くなることにより、血液の流れが悪くなる症状です。心臓の機能に問題があると、爪が紫色になることがあります。ここでは、この心不全の原因となる病気を紹介しておきたいと思います。
狭心症・心筋梗塞
心臓の冠動脈が狭くなったり、閉塞したりすることにより起こります。血液を全身に送り出す機能の低下や、心筋の壊死が起こると命にもかかわることがあります。
心臓弁膜症
心臓には4つの弁があり、開くと血液が送り出され、送り出されると弁は閉じ逆流をしないようになっています。この働きが悪くなると、血液が逆流したり、停滞したりしてしまいます。
心筋症
肥大型心筋症は、心筋が厚くなることにより、正常に血液を送り出すことができなくなり、拡張型心筋症は、心臓の内腔が広がり、心臓が薄くなることにより、心臓のポンプ機能が低下してしまいます。
まとめ
健康な人でも、血流が悪化すると顔色や爪が紫色になることはあります。急激な寒さなどにより血管が細くなることによる血液の流れが悪くなることなどでの変化は、一時的なもので心配はいりません。
しかし、長期間に渡り爪が紫色をしていたり、爪だけでなく、顔色やからだなどの血色にも変化が出て進行していったりするような場合には、急激な変化が肺や心臓に起こっている可能性があります。
普段から慢性の病気などがある場合は積極的な治療をこない、健康診断などで早期のうちに病気を発見することが大切です。