目の周辺は他の顔の部分と違い皮膚が薄く、目の縁はどこにも固定していないで宙に浮いている状態です。その為まぶたは垂れやすく、年齢が出やすい部分です。
また、上のまぶたが下に垂れてまぶたが開きにくくなり、物が見えにくくなることを「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と言います。ここでは、この眼瞼下垂症の原因・症状・治療法についてまとめていきます。
目次
眼瞼下垂症の原因
眼瞼下垂症の原因には、以下のようなものがあります。
遺伝
生まれつきまぶたを上にあげる筋肉の形成不全が原因です。眼球に障害はない為、まぶたの下垂状態により手術をする場合があります。
加齢
30代から発症することも少なくありません。加齢は高齢と違い、生まれてからの年月を示すことなので、30代より前から発症する可能性もあります。
コンタクト
ハードコンタクトを長期に渡り使用することで発症します。ソフトのコンタクトや眼鏡に変えると予防ができます。
目の刺激
目を強く擦ることで、発症することがあります。花粉症やアレルギーを持っている方は特に注意が必要です。
眼精疲労
パソコンやスマートフォンなどの眼精疲労の場合が多いです。
眼瞼下垂症の症状
眼瞼下垂症の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
まぶたが重たい
上眼瞼挙筋(瞼を上に上げる筋肉)を強く収縮して物を見ようとするため、目の奥が痛くなる、まぶたが重たく感じます。午後になると目を開けていることに疲れます。
疲労
まぶたを持ち上げる為には、筋肉(ミュラー筋)を収縮させてまぶたを上げます。ミュラー筋を動かすには、交感神経の働きを活発にする必要があります。目を開けていることは、心身の緊張状態が続くので不眠や疲労に繋がります。
頭痛・肩こり
ミュラー筋が上眼瞼挙筋に引っ張られると眉毛を上げる筋肉が収縮します。その時に顎を上げる筋肉も収縮する為、前を見ている時も普段は収縮しない顎の筋肉が収縮するため、緊張性頭痛や肩こりが起こります。
見た目の変化
初期の場合に顔の表情に変化が見られます。
- 眉毛の位置が上がる
- 額のしわが深くなる
- 眼球の下目が見える(三白眼)
- 二重の幅が広くなる
- 目の上がくぼむ
- 左右の目の大きさが違う
などの症状が見られます。また、眠そうな顔に見られたり、顎を上げていることが多くなります。
眼瞼下垂の治療法
最後に眼瞼下垂の治療法について見ていきましょう。
治療の前に…検査方法は?
- まぶたに専用の重りをつけて、瞼が上がるかを検査します。瞼下垂症の場合は2~3gの重りを上げられません。
- まぶたが下がっている人に「5%ネオシネジン」を点眼すると一時的にまぶたが上がり、眼瞼下垂症の診断ができます。
まぶたを切開する方法
繊細な瞼を手術するので簡単な手術ではありません。専門の先生が症状に応じた手術を行います。手術内容は、まぶたの皮膚を切開して、挙筋腱膜(瞼を上げる筋肉)の膜を瞼板に留めることで目の開きを改善する方法です。
まぶたを切開しない方法
まぶたを切開しないでまぶたの裏から治療をします。やり方としては、まぶたの裏の結膜を糸で縮める方法で、症状が軽症の場合に有効的です。挙筋腱膜を確認しないで盲目的に縫い合わせるため、瞼板全面に固定されているかが曖昧になります。
どちらの治療方法にもメリット・デメリットがあります。かかりつけの医師と相談をして、症状に合った治療を受けましょう。
まとめ
眼瞼下垂症は目を酷使したり、瞼に強い刺激を与えることで発症します。スマートフォンやパソコンを使うことが多い現代では、誰もが発症する可能性がある病気かも知れません。体の健康に関心を持つように目に関心を持つべきではないでしょうか。
まぶたが下がることで視界が狭くなると、日常生活を送ることが困難になります。まぶたの異常に気がついたら、早目に受診をしましょう。