不規則な生活が続いていたりして、疲れが溜まった状態で寝ていると、夜中に気分が悪くなり、吐き気がして、目が覚めることはありませんか?
疲れているのだからぐっすり眠れていいはずなのに、夜中に不快な体調になるのはどうしてなのか心配になりますよね。
一時的なものであれば、単なるその日の体調不良で、体力が回復すれば問題のない場合が多いのですが、頻繁に夜中の吐き気に悩まされることがあれば、なにか病気が隠れている可能性もあります。
今回は、夜中の吐き気を起こす原因やその対処法についてご紹介致します。
夜中に吐き気が起こる原因は?
起きている時間には、胃は食べたものを消化分解し、腸の栄養吸収を助ける働きをしています。
消化液の胃酸は、1日に1.5Lから2.5Lもの量が分泌されているといわれています。胃酸の分泌を促すためには3つのホルモンが関係しています。
- アセチルコリンは、視覚から入ってきた情報(おいしそうな映像など)や、嗅覚の情報(食べ物のいいにおいなど)が副交感神経を刺激することにより分泌されます。
- ガストリンは、食事中など実際に胃に食べ物が入ったとき分泌されます。
- ヒスタミンは、胃の中に食べ物がないときでも胃酸の量を調節するために働いています。
胃酸は殺菌作用があるだけでなく、金属も溶かすことのできるほどの消化液です。この強い胃酸の分泌から自分の身を守るため、胃粘液も同時に分泌されていて、胃内膜の保護をする作用が働いています。
食べ物が胃に入り消化するためには必要な胃酸ですが、ストレスや病気などで寝ているときなど、食べ物がないときでも胃酸が出すぎてしまったりすると、胃を守るための胃粘液の分泌量とのバランスが崩れてしまい、夜中に胃痛や吐き気が起こる原因にもなります。
夜中に吐き気が起こる病気別の対処法
逆流性食道炎
胃は、強い胃酸が分泌されても胃粘液の分泌により、胃粘膜が保護されていますが、食道の部分は胃酸に耐えられるような機能は持っていません。
そのため普段は、食道と胃のつなぎ目の筋肉の働きにより、胃酸などの逆流が起こらないようになっています。下部食道括約筋が、この働きを主にしています。
逆流性食道炎は、胃酸が過剰に分泌されてしまったり、この下部食道括約筋がうまく働かなかったりすると、ほとんど防御機能のない食道部分にまで、胃酸が逆流し、炎症を起こしてしまいます。
夕食後や飲酒後、すぐにソファーなどで横になってしまうことはありませんか?食べたものを消化するために、食後には特にたくさんの胃酸が分泌されます。
食後すぐに寝てしまうと、逆流性食道炎になりやく、夜中に胸焼けや吐き気で目が覚めてしまうことがあります。
忙しい生活をしていて夜遅くにしか食事が摂れないという人は難しいかもしれませんが、最低でも食後から1時間から2時間くらいの時間の経過のち睡眠に入るようにしましょう。
飲酒や肥満、ストレスなどにも注意し、医療機関で、胃酸を抑える薬などの治療が必要です。
また、逆流性胃腸炎についてもっと知りたい方は、下記ページをご覧ください。
十二指腸潰瘍
胃の中に食べ物がない時間の夜中などでも多くの胃酸が分泌されてしまうと、十二指腸潰瘍が起こり進行すると出血する場合もあります。
食べることにより胃酸が薄まり、痛みがやわらいだりする症状がみられたりします。夜中に吐き気や胸焼け、お腹の痛みなどがある場合は、飲酒や喫煙、刺激のある食品などの日常生活に注意する必要があります。
医療機関では、胃酸を抑える薬と同時に、十二指腸潰瘍の95%の人が感染しているといわれているヘリコバクター・ピロリ菌を抗生物質などでの除菌する治療も合わせて行われます。
最後に
胃の薬でも、胃酸の分泌を助ける成分のものや、胃酸を抑える働きをするものなどさまざまなものがあります。病気の原因と逆の成分を飲み続けることは危険です。
また、夜間などの空腹時の吐き気は、消化器系のものだけでなく、肺や心臓、肝臓や膵臓などに異常がある場合でも起きます。
日常生活を改善しても、治まらないような体調の変化がある場合は、医療機関で検査をしてもらいましょう。