子どもが咳き込んでいるのは、見ていても辛いものです。一刻も早く、咳を和らげてあげたいですよね。
今回は、子どもの咳の原因と咳止めの方法や注意点をまとめます。
目次
咳が出る原因
咳は、肺に繋がる空気の通り道である気道に、風邪のウイルスやホコリなどの異物が浸入して来たときに、その異物を追い出そうとして起こる反射で、人間の体を守る反応です。
咳には、コンコンと乾いた咳やゴホンゴホンと痰の絡んだ湿った咳、ケンケンと犬が吠えるような咳など種類があり、それぞれ原因や状態が異なります。
子どもの咳は、体の異常を知らせていますので、注意深く状態を確認することが大切です。
新生児、乳児、幼児に多い咳の原因
新生児(生まれてから生後1ヶ月以内)、乳児(生まれてから1歳まで)、幼児(2歳から小学校入学前まで)の咳の原因の多くは、ウイルスや細菌による呼吸器の感染症があげられます。
その他、ハウスダストやダニなどのアレルギーにより気管支が細くなり、呼吸が苦しくなる小児喘息や副鼻腔炎で鼻水がのどに流れることが原因の場合もあります。
ここでは、咳の原因となる呼吸器の感染症についてご紹介します。
1.のど風邪
のどに炎症が起きて、咳が出ます。痰が絡まない乾いた咳が特徴です。
2.クループ症候群
のどの奥の気道の入り口にある喉頭(こうとう)やその周辺が炎症によって腫れて、空気の通り道が狭くなり、呼吸困難を起こす恐れがあります。
風邪症状に続いて、声がかすれてきて、ケンケンと犬が吠えるような咳が見られたらクループ症候群の可能性があります。
3.気管支炎、細気管支炎
ウイルスや細菌の感染で気管支に炎症が起こった状態です。
さらに、RSウイルスに感染すると、乳幼児では、気道のさらに肺に近い細気管支に炎症を起こし、呼吸困難などを起こしやすいので、注意が必要です。
特に、RSウイルス感染症は、生後6ヶ月以下の赤ちゃんがかかると重症になりやすいといわれていますので、十分に注意しましょう。
4.肺炎
肺が炎症を起こすと、発熱、咳、呼吸困難などの症状が起こります。
咳止めの方法
1.部屋を加湿する
部屋が乾燥していると、咳が止まりにくくなります。また、痰もからみやすくなります。
加湿器を使ったり、濡れたタオルを室内に干す、洗面器などに水を張って部屋に置くなどして、部屋を加湿しましょう。
2.鼻水を吸引する
鼻水が出ている場合、鼻水がのどに流れて、咳が出ている可能性もありますので、鼻水は口で吸ったり、鼻水吸引器で吸うなどしてできるだけ取り除いてあげましょう。
自宅での吸引が難しい場合は、耳鼻咽喉科で鼻水を吸引してもらうとよいでしょう。
3.上体を高くして寝かせる
咳で呼吸がしずらい場合は、上体を少し高くして寝かせてあげると、呼吸がしやすくなります。
注意点
咳を止める自宅での方法をご紹介しましたが、症状によっては、緊急で救急を受診する必要がある場合もあります。
咳き込んで、母乳やミルクがほとんど飲めない、おしっこが出ない、全身で一生懸命呼吸している、息を吸うときヒューヒューといった音がする、ケンケンと犬が吠えるような咳をする、唇が紫色でぐったりしているなどの症状がみられたら、夜間でも救急外来の受診が必要です。
まとめ
新生児、乳幼児の症状は、急激に悪化することがあります。咳が続く場合は、早急に病院を受診するようにしましょう。
新生児や乳幼児は、自分で訴えることができない、または、うまく伝えられませんので、親が状態をしっかり観察して、状態の変化にすぐに気づいてあげることが重要です。
場合によっては、救急外来の受診が必要な状態になることもあることを認識しておきましょう。