胸に触れた時や押してみた時、痛みを感じると何か悪い病気ではないか、それまでともいかなくても異常があるのではないかと心配になりますよね。胸にはさまざまな器官が関係して痛みを発することが考えられます。
そこで今回は、胸を押すと感じる痛みの原因と対処法をお教えしたいと思います。
胸を押すと痛むのはなぜ?
では、さっそく胸の痛みから考えられる原因をみていきましょう。
よく、胸を押すと痛むという症状から女性であれば乳がんを疑われる方がいます。しかし、乳がんで痛みを感じる方は発症者の10%未満だといわれており、その可能性は低いといえます。では、男女ともに胸を押して痛みを感じる原因とはなんなのでしょうか。
1.狭心症
全身に血液と栄養を送る心臓。その管である冠動脈が動脈硬化によって詰まってしまうことで起こる病気です。運動時や不安を感じている時などに発作が起き、痛みを感じるほか圧迫されているような感覚が生じます。
2.心筋梗塞
狭心症でも出てきた冠動脈が完全に塞がってしまうことで心臓の筋肉に血液が供給されなくなってしまい、胸を押した際に痛みを感じることがあります。心筋梗塞は狭心症の1歩手前の段階です。
3.肋間神経痛
肋骨にそって走る神経が、体ひねったり、大声を出すなどの刺激が加わることにより神経に痛みが走ります。押すなどの外的な要因によっても生じる痛みです。
4.胸膜炎
肺を覆っている胸膜に炎症が起こることで痛みを感じます。痛みの程度には軽度なものから何もしていなくても痛みを感じるなどさまざまな段階があるといわれています。
5.心臓神経症
検査をしてもとくに内臓や心臓に異常はみられないものの、ストレスや過度な不安などが引き金となって胸に痛みを感じることがあるといわれています。鈍い痛みを慢性的に感じており、押すと痛みが増すなどの症状が現れます。
押すと痛い胸の痛みの対処法
では、さきにご紹介したような胸の痛みを和らげるためにはどのように対処すれば良いのでしょうか。
まず、胸には生命に関わる重篤な病気が隠されている可能性もありますので、痛みの程度が強く頻繁に起こる、長引いているなどの症状が見られる方はすみやかに病院の検査を受けることをおすすめします。
病院では、まず胸部エックス線やCTなどを用いて心臓や冠動脈に異常はないかなどを検査します。もしこれらの検査からとくに異常がみられないようでしたら、自律神経失調症や精神的なものなどによる影響が疑われます。
では、重い病気につながらせないためにも心がけてほしいことがあります。それは、普段の生活習慣の見直しです。過度なストレスを溜め込んでいませんか? 過去のことを後悔したり思い悩んだり、将来の不安で頭がいっぱいになっているなど持ち越し苦労、取り越し苦労を抱えているとそれだけでストレスになってしまいます。今の状態に意識を傾け、リラックスした状態をつくれることが望ましいでしょう。
そして、食生活や睡眠、運動もとても大切な要素です。栄養バランスのとれた野菜中心の生活を心がけ、十分な睡眠を確保しましょう。そしてウォーキングや軽いジョギングなど適度な運動は疲労を回復し、心身ともにリラックスにつながります。
まとめ
押すと痛む胸。症状や痛みの持続時間によっては重大な病気が背後に潜んでいることも否定できません。
すみやかに病院での受診を行うとともに、日頃からの生活習慣を今一度見直してみることも大切です。