
下腹部に鈍痛がある場合、どんな病気が考えられるのでしょうか?また、痛む場所や痛み方によって違いがあるのでしょうか?ここでは、下腹部に鈍痛が生じる原因について調べてみました。
左右で違いはあるの?
下腹部が痛む場合には、そこにある臓器の異常が考えられます。下腹部にある臓器としては、子宮、卵巣、膀胱、大腸、腹壁等があります。
細かく見ていくと、下腹部の左側には、下行結腸、S状結腸、左卵巣があり、下腹部の右側には盲腸・虫垂、上行結腸、右卵巣があります。
さらに、下腹部中央には、直腸、膀胱、子宮などがあります。異常がある臓器の場所によって、痛む位置も変わってきます。それでは、下腹部に鈍痛が生じる原因について見ていくことにしましょう。
大腸憩室
大腸の粘膜の一部が、腸管の内圧が上がったことによって腸管外に袋状に飛び出したものです。
食の欧米化で肉食が増え、食物繊維の摂取が減ったため、便秘などで腸管内圧が上がりやすくなったり、加齢で腸管壁が弱くなることによって起こってきます。
多くの場合は、無症状ですが、便秘や下痢とともに、憩室がある場所に痛みが出てきます。合併症として憩室出血をしたり憩室炎になると、強い腹痛や血便などの症状が現れることもあります。
大腸憩室の中でも、S状結腸や下行結腸に憩室がある場合は、左下腹部に鈍痛がありますが、上行結腸に憩室があると、右下腹部に鈍痛がでることがあります。
大腸憩室は、以前は日本では上行結腸に多く、したがって右下腹部に症状が出ることが多いとされていましたが、食の欧米化に伴い左下腹部に症状が出るケースが増えています。
過敏性腸症候群
日本人の10~15%に見られるとされ、頻度が高い病気で、20~40歳代で多く発症し、女性にやや多い傾向がみられます。
原因は消化管運動異常や消化管知覚過敏、心理的異常が考えられていて、ストレスは症状を悪化させる要因と言われています。
腹痛又は腹部不快感と便通異常が主な症状で、便が硬くなり滞りやすい下行結腸からS状結腸にかけての左下腹部に持続性の鈍痛があるケースが多くなっています。
卵巣腫瘍
卵巣に腫れが生じたもので、良性の場合と悪性の場合があります。卵巣に腫瘍ができると下腹部に鈍痛がでることがあります。
左側の卵巣に異常が起これば、左下腹部の鈍痛となってあらわれますし、右側の卵巣に異常が起こった場合、右下腹部の鈍痛となってあらわれることがあります。
膀胱炎
下腹部の鈍痛があり、20代の女性に多くみられるものに膀胱炎があります。膀胱炎は、細菌が大腸から膀胱内に侵入して炎症を起こす細菌感染症です。
膀胱炎の場合、下腹部の鈍痛や違和感の以外に、排尿痛や頻尿といった症状が現れ、場合によっては血尿が出ることもあります。
便秘
便秘は、大腸が曲がっている部分で便が滞りやすく、便やガスが溜まりやすく、硬くなり鈍痛を感じる場合があります。
特に下行結腸からS状結腸にかけては、便が硬くなってきていて、しかも曲がっている場所なので、鈍痛を感じる場所は左下腹部が多くなっています。
子宮筋腫
子宮の良性の腫脹で、子宮の筋腫がある部分の子宮内膜が薄くなり、そこにうっ血や壊死、潰瘍などでき、月経の出血量が増えたりしますが、月経のときに下腹部に鈍痛がでてくることがあります。
まとめ
下腹部の鈍痛は、下腹部にある臓器の異常からきていることが多く、左が痛いのか右が痛いのかは、異常がある臓器や場所によって変わってきます。また、排尿や月経など、下腹部の鈍痛以外の随伴症状も、病気を確定していくのに有用な情報になります。