どちらも大気汚染の1種として認識されている黄砂とPM2.5ですが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?ここでは、黄砂とPM2.5について解説した後で、それぞれの違いについて見ていきたいと思います。
黄砂とは
英語で「アジアン・ダスト(Asian dust)」と言われる通り、アジアの砂漠地帯で巻き上げられた砂が風に乗り、他の地域まで運ばれる現象を指します。
主にアジア周辺で見られますが、過去には「太平洋を越えてハワイや北アメリカまで届いた」という例も報告されています。
日本では、主に2月から5月頃に日本海側や西日本で見られ、4月頃にピークを迎えます。また、日本に飛んで来るものの多くは、0.5-5.0μmほどの大きさでタバコの煙よりも少し大きいサイズになります。
PM2.5とは
頭のPMは「Particulate Matter(粒子状物質)」の略で、後ろの2.5は「2.5μm以下」という粒子の大きさを示しています。
つまり、PM2.5とは、特定の物質を指す言葉ではなく、大きさが2.5μm以下の物質全般が飛散することを指しています。
その原因は、ボイラーや焼却炉、コークス炉などの煤煙、鉱物の採石場などの粉塵、自動車やバイクの排気ガスなど人為的なものから、土壌や火山から発生する自然起源のものまで幅広く存在します。
また、2.5μmと非常に小さいので、体内に入り込むと肺に炎症を起こしたり、肺胞から血液中に入り込んだりといった健康被害に繋がるケースもあります。
それぞれの違い
黄砂は単に「空中に砂が飛散すること」を指し、PM2.5は「2.5μm以下の粒子が飛散すること」を指す言葉です。つまり、大きさが2.5μm以下なら、黄砂でもPM2.5と呼ばれるということになります。
黄砂・PM2.5対策
最後に、黄砂やPM2.5の対策について紹介しておきたいと思います。
マスク
通常のマスクではなく、2.5μm以下の小さな粒子も防げるようなマスクを身につけましょう。
ゴーグル
花粉症で使われるようなものでもいいので、ゴーグルを着けるのも効果的です。
外出を控える
黄砂やPM2.5の飛散状況は、気象庁や日本気象協会のウェブサイトで確認できます。下記にリンクを貼っておくので、こまめにチェックし、あまりにひどい場合には外出を控えるようにしましょう。
- 「黄砂の飛散状況」(気象庁)
- 「PM2.5の飛散状況」(日本気象協会)
まとめ
今回は、黄砂とPM2.5について見てきました。両者の違いとしては、「黄砂は砂が飛散すること」を指し、「PM2.5は2.5μm以下の粒子が飛散すること」を指すといった感じです。また、粒子の大きさによっては、黄砂もPM2.5に含まれることがあります。