暖かい季節になり、行楽などでアウトドアを楽しむ人も多いのではないかと思います。そのときに、皆さんはどのような服装で出かけているでしょうか。
しっかりとした服装をしていないと、マダニによって様々な感染症にかかってしまう恐れがあります。マダニ感染症の中には致死率が3割近くにもなる恐ろしい病気もありますので、対策を立てていきましょう。
マダニ感染症とは?症状は?
マダニ感染症とは、野原や山の中に生息しているマダニに咬まれることで、ウイルスが感染して発症する病気の総称です。
日本紅斑熱、ライム病、回帰熱などが知られていましたが、2011年にマダニから新しいウイルスが発見され、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」という病気が確認されました。
この病気に関しては、現在、有効な手立てはなく、発症すると重篤化し死に至ることもある病気で、およそ3割の人がSFTSによって亡くなっています。
マダニ感染症の原因
マダニ感染症の原因は、無防備な状態で山登りや藪、畑仕事をするなどでマダニに咬まれることが原因です。マダニに噛まれても痛みや痒みはないために気づかないうちに感染症にかかっていたというケースがほとんどです。
しかし、イエダニと違ってマダニは肉眼で確認できることが多いので、気づいたら、すぐに医療機関へ行って適切な処置を受けるようにしましょう。
アウトドアで山登りなど草が多いところへ行くときには、肌の露出を少なくすること、マダニが侵入できないように、袖口をしっかりと締めておくことなどの対策が重要です。
マダニ感染症の治療法
マダニ感染症にかかった場合、SFTSを除いては対症療法と抗菌薬の服用によって治療が進められていきます。
マダニに咬まれたからといって、すぐに感染症が発症するわけではなく、通常、1週間から2週間の潜伏期間を経て感染症が発症することがほとんどです。
マダニに咬まれたことに気づいて、自分で取ってしまった場合、マダニのトゲが咬まれた場所に残ってしまうこともあります。そのとき、皮膚の下に黒っぽいものが残っているように見えます。
器用な人であれば、ピンセットを使用して完全に取り除くこともできるかもしれませんが、ウイルスに感染しているかの判断は、医療機関へ行って相談するようにしましょう。
特に注意したいSFTS
マダニ感染症の中で、現在、厚生労働省を中心に注意が呼びかけられているのが、重症熱性血小板減少症候群です。この病気は国が主導して3年計画で研究が進められている段階で、主に西日本を中心に発症が確認されています。
しかし、マダニはどこにでも生息していますし、原因ウイルスはどのマダニも所有していると考えたほうが良いでしょう。この病気は発症率は低いものの、致死率が3割近いために非常に警戒されている病気です。
原因不明の発熱や食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が中心ですし、医療機関でも症状だけでは見極めることが難しいとされている病気です。
2〜3週間以内に、草むらや野原、藪、山登りといった、草が大量に生えている場所に入ったかどうかを医師に伝えるようにしましょう。
まとめ
マダニは肉眼で確認できる場合もあるので、もし、刺されてしまったかも…というときには直ちに医療機関を受診するようにしましょう。