風邪の延長として経験したり、気がついたら慢性的になっているなどして身近な病気である副鼻腔炎。不快な症状が続き、体調だけでなく、お出かけやお食事など楽しいことも楽しめなくなってしまう病気の一つです。
そこで今回は、副鼻腔炎の治療に用いられる主な抗生物質をご紹介したいと思います。
目次
副鼻腔炎とは
鼻には穴があり、そのさらに奥には4つの空洞が存在します。上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞と呼ばれるこれらの空洞はすべて鼻に続いており、正常時には呼吸をしたり、鼻に侵入したウイルスや細菌を異物として排出する作用があります。
しかし、これらの機能が細菌による炎症などにより低下した状態を副鼻腔炎といいます。症状としては、どろっとした粘性の高い黄緑色の鼻水が出ることや、炎症によって鼻腔内が腫れることによる鼻づまり、頭痛、歯痛、味覚・嗅覚の鈍化、嫌な匂いがするなどが主なものです。
原因としては、風邪やウイルスの感染によって鼻腔内に菌による炎症が生じてしまうこと、アレルギー性鼻炎、気管支炎、喘息、白血球の1種である好酸球の増加などさまざまです。風邪やウイルスが原因となって起こる副鼻腔炎の治療には、殺菌、抗炎症のためにも抗生物質が用いられます。
次の項では副鼻腔炎の治療に処方される抗生物質の特徴を挙げてみたいと思います。
副鼻腔炎治療に使われる抗生物質一覧
ではさっそく副鼻腔炎治療に用いられる抗生物質をみてみましょう。大きく分けて3種類に分けられます。1つは、マクロライド系、2つ目はニューキノロン系、そして最後がセフェム系です。
マクロライド系
クラリス、ジスロマックなど
副鼻腔炎の原因となる細菌の増殖につながるタンパク質の増加を抑える働きがあります。
また、副作用も少ないほか、細菌自身が防御しようとしてつくるバイオフィルムもつくらせないようにする作用もあります。
ニューキノロン系
クラビット、タリビッド、バクシダールなど
細胞のDNA生成を抑制することで、症状の悪化を防いでくれます。
こちらも副作用は少ないですが、まれに幼いお子さんなどでは下痢などを引き起こすこともあるといわれています。
セフェム系
メイアクト、バナン、セフゾン、フロモックス
原因となる菌細胞の一番外側を壊す働きがあります。細胞が正常な形状を保てなくなることで威力を失うことが目的として使用されます。
まとめ
副鼻腔炎は放っておかずに早期の治療が大切です。
自然に治る方もいますが、長期化すると鼻呼吸ができなくなることで口腔内や気管支が乾燥し、免疫力の低下による病気や口呼吸による口腔内の細菌増加によって口臭などほかの症状をも招きます。
もしかしたら副鼻腔炎かもしれないと思ったら、早期治療を受けることをおすすめします。