小さい子供が急にひどい下痢になってしまったら、お母さん達は慌ててしまいます。下痢になる原因は色々ありますが、便の違いからわかる病気もあります。
特に感染性胃腸炎の原因のひとつであるロタウイルスに感染すると、特徴のある便が出ることがあります。今回は、そのロタウイルスの便のにおいや色の特徴についてまとめてみました。
ロタウイルスとは
ロタウイルスとは冬から春にかけて流行する感染性胃腸炎です。主に子供がかかることが多いのですが、まれに子供から大人に感染することもあります。
かかりやすい年齢の順番としては、生後6ヶ月から2歳の乳幼児、次いで6ヶ月未満の乳児、その次が2歳から5歳までとなります。5歳までにほぼ100%の子供が感染します。
ロタウイルスにかかると、1-3日の潜伏期間を経て下痢や嘔吐、腹痛、発熱などが見られます。下痢や嘔吐がひどいと脱水症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。
ノロウイルスなどと同じように感染力は非常に強く、感染経路はドアノブや水道の蛇口などから移る接触感染と、手についたウイルスを食べ物などを通して口にしてしまう経口感染があります。
感染の予防としては、しっかりした手洗いやうがい、汚物の正しい処理、塩素系漂白剤での消毒になります。その他の予防法として予防接種があります。
ロタウイルスにかかると脳炎や脳症などになることもあり、それが原因でてんかんや発達障害などの後遺症が残る合併症になってしまうこともあります。
他の胃腸炎より重症化しやすいとも言われていますので、合併症にならないように予防接種を受けることはとても大切です。
生後6週から2回または3回で受けることになるので、早い段階から受け始めるのが良いでしょう。
便の特徴
色
ロタウイルスの便は、水様性の白い下痢で、「白色性下痢」と呼ばれることもあります。下痢はノロウイルスよりも激しく、水っぽくなるにつれて白い色になります。
しかし、個人差もあるのでロタウイルスに感染した人の全てが白い色の便になるわけではありません。特に大人が感染した場合は、その人の体調などで便の色もだいぶ変わってきます。
白い色になる原因は胆汁にあります。便の色をつけているのはこの胆汁なのですが、胆汁の分泌が悪くなることで便の色が白くなります。
下痢が激しいので便に色をつける前に出てしまい、白っぽくなるということもあります。
におい
においの特徴は、鼻をつくような刺激のある強烈なにおいです。下痢特有の乳酸菌食品が腐ったような、すっぱいにおいがします。
お尻のケア方法
ロタウイルスで下痢になると、多いときで1日に10回以上も出ることがあります。そのため、まだオムツのはずれない赤ちゃんはお尻がかぶれてしまうことがあります。
オムツ交換するときは、かたいお尻拭きやティッシュなどでゴシゴシするのはやめましょう。
柔らかいガーゼやタオルなどをお湯で搾って、そっと拭いてあげてください。少し体調が良くなってきたら、お尻だけお湯で洗うのも良いでしょう。
回復の目安
ロタウイルスの症状が出ると、嘔吐は1-3日、下痢は3-10日、発熱は半日-1日続きます。特に下痢は長引くことが多く、2週間くらい続くこともあります。回復の目安は、熱が下がる、嘔吐が止まる、食欲が出てくるなどです。
まとめ
冬になると様々な病気が流行り始めます。ロタウイルスに感染した疑いがあるときは、自分だけで判断せず、早めに小児科などを受診して医師の診断を受けてください。予防接種も忘れずに受けてくださいね。