鼻水にくしゃみ、微熱や倦怠感などさまざまな症状を引き起こす花粉症。春先などせっかくの楽しい季節に、辛い症状が続いては楽しいことも心から楽しむことができなくなってしまいます。
花粉症は一度なったら二度と治らないと思われる方が多いようですが、実は体質改善を行えば花粉症は改善できるのです。今回は、そんな辛い花粉症を退治するため、体質改善におすすめの方法についてお話しします。
完治することはあるの?
花粉症は、体内に侵入した花粉に対し脳が異物だと認識することで、肥満細胞から異物を攻撃しようとヒスタミンなどの物質が分泌され、体外へ排出する行為として鼻水やくしゃみを引き起こすというメカニズムです。
人によって、花粉の原因はスギやヒノキ、ブタクサなど違いはありますが、症状としてはほとんど同じです。したがって、花粉症対策ということであれば、どのような原因物質でもやってみる価値はあります。
小さい子供より大人の方がなるイメージがありますが、これも人それぞれの人生で浴びてきた花粉の総量に関係します。子供の頃はまだ花粉を体内に摂る期間も量も大人に比べて少ないので、あまり花粉症にはなりません。
大人でも、今は花粉症に悩まされていない方も、今後いつ臨界地点に達して、発症するかわかりませんので油断は禁物です。
また、花粉症は個々人の免疫力にも大きく関わってきます。免疫の少ない人は侵入してきた花粉を異物だと見なし、抗原を出しやすく、花粉症を発症しやすくなってしまいます。花粉症はいったんかかると、一生付き合うというイメージも強いかと思います。
しかし、近年さまざまな治療法や研究が報告され、実際に「治療後、何年も症状が出ていない」という人もいます。次の項では現在の治療法と、根本から花粉症に向き合う、体質改善についてお話します。
おすすめの体質改善法は?
現在、花粉症の治療には、症状が出てから抑える服薬中心の「対症療法」と「手術」があります。
対症療法では、花粉症に抗体が出ないようにする、抗ヒスタミン薬や抗生物質が処方されることが多いです。また、手術では鼻の粘膜をレーザーで焼く治療が施されます。
鼻の粘膜を焼くことで花粉に反応しにくくなり、手術費も保険が適用されたり、短時間で済むなどのメリットがあります。
一方で、鼻の粘膜は年齢とともに萎縮してしまうので、再度症状が起こることがあり、何度も手術を受けなくてはならない人もいるようです。
そこで、根本的に花粉に対抗する力を付けるのにオススメなのが「体質改善」です。先ほどもふれましたが、免疫力の低下は、花粉症の発症に大きく関わっています。
体質改善では、免疫力を高め、花粉を異物として認識しないような体作りをするが大切になってきます。では、どのような方法があるのでしょうか?
1.乳酸菌を摂取する
乳酸菌は、腸内環境を良くし、免疫力を高めてくれることがわかっています。ヨーグルトなどさまざまな食品に含まれていますが、とくに花粉症に効果的とされる「L-92乳酸菌」や「KW乳酸菌」、「ビフィズス菌」、「フェカリス菌」の含まれるものを積極的に摂ることをオススメします。
2.ポリフェノールを摂取する
ポリフェノールには、花粉症のもととなる抗体の分泌を抑える働きがあります。甜茶や納豆、カカオなどに豊富に含まれています。
3.適度に運動する
室内で筋トレをしたり、ヨガや軽い運動は、免疫力の向上や自律神経のバランスを整えるのに効果的です。人間は、緊張した時に高まる「交感神経」とリラックス時に高まる「副交感神経」、この2つの自律神経のバランスを保って生きています。
件の花粉症は、副交感神経が優位にある状態で、2つのバランスが崩れてしまうことで引き起こされます。ですので、適度に運動することで、この自律神経のバランスを整えることができます。また、運動は、汗で老廃物を排出してくれる他、自律神経を整えるのに効果的です。
4.漢方薬を服用する
漢方は人それぞれ飲んでいる薬や体質・年齢などを診てもらい、処方されるので、きちんと耳鼻科や耳鼻咽喉科、または漢方専門店で漢方医のいるところで相談してください。
代表的なものに「小青竜湯(ショウセイリュウトウ)」や「苓甘姜味辛夏仁湯(リョウカンキョウミシンゲニントウ)」があります。
これら2つの漢方薬については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
毎年その時期を乗り越えるだけでも辛い花粉症。薬を飲みすぎると眠くなってしまい、仕事や学業に支障が出てしまったり、薬の効果が薄くなったり、胃が荒れてしまったりと花粉症への効果以外の弊害もあります。
花粉症が発症する前から体質改善に取り組み、できるだけ症状は緩和できるように備えておくことが何よりです。
また、今回は体質改善での治し方について説明しましたが、病院での治療法もあります。次はその方法の詳細を見ていきましょう。