花粉シーズンの到来は、花粉症患者にとって憂うつなものです。毎年のように訪れる花粉シーズン、症状を薬で抑えたりすることはできますが、できれば花粉症自体を治してしまいたい…。
何か花粉症の症状を治してしまう方法はないのでしょうか?ここでは、そんな花粉症を治す方法や治ることはあるのかについてまとめてみました。
花粉症を治す方法は?
花粉症の季節になると、病院やクリニックが花粉症の患者でいっぱいになります。特に2月あたりはインフルエンザのシーズンとも重なり混雑します。
実際に花粉症の治療は、花粉シーズンはじめに病院やクリニックに行って、抗アレルギー薬を処方してもらって、それを服用するというのが主流になっています。
毎年、花粉シーズンが来るたびに、薬は飲まなくちゃならないし、つらい思いをするのはもうイヤだ、治してしまいたいと思うのも当然です。
何か治す方法はないのかということですが、花粉症を治す一番の方法、それはアレルゲンとなる花粉がないところに行くというのが一番の解決法ですが、そのために引っ越すというわけにもいきません。
そこで、花粉症を治してしまう方法として注目されているのが、「減感作療法(げんかんさりょうほう)」と「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」という2つの治療法です。
1.減感作療法とは
これは、花粉症の人に少しずつ花粉を投与して、体を花粉に慣らしていくことで花粉症を克服しようという治療法です。しかし、減感作療法は、治療に2~3年要する上に、その間ずっと注射を毎日打ち続けなければなりません。
2.舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、「シダトレン舌下液」という薬を1日1回舌下に滴下して2分間保持した後、飲み込みます。この薬を舌下に滴下することにより、花粉が入ってきてもその花粉情報が伝達しにくくなり、抗体の産生量が減ることで、アレルギー症状が軽減していきます。
注射などの痛い思いをすることもなく、舌下に薬を滴下するだけで治療でき、花粉症状を治療するのに使われる抗ヒスタミン剤のように眠くなることもありません。車を良く運転する人、妊婦にも減感作療法はお奨めです。
しかし、この治療法を行っている医療機関はまだそれほど多くないので、行われている病院を調べなければなりませんし、2~3年の治療期間を要すること、そしてスギ花粉にしか効かないことがデメリットです。
そして、2014年にこの舌下免疫療法で用いられる花粉エキスの薬・シダトレン舌下液という薬が、2014年から保険適用になりました。
治ることはあるの?
花粉症が治るということで期待される減感作療法があり、また、スギ花粉による花粉症患者には舌下免疫療法という選択肢もあります。
気になるのは、これらで花粉症が治るのかということですが、減感作療法では、改善率は約6~7割と言われています。2~3年毎日注射を打ち続けるので、この数字を高いとみるか低いとみるかになります。
また、舌下免疫療法の治癒率はどうかというと、完治は3割、8~9割の患者の症状が改善すると言われています。
こちらも残念ながら100%とはいかないようですが、改善レベルということであれば、かなり期待がもてる数字になっています。
まとめ
花粉症の治療は、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン剤の内服治療といった対症療法が主流になっていますが、花粉症を治す治療として減感作療法や舌下免疫療法なども行われています。
しかし、100%治るというわけでもなく、その治癒率、メリットやデメリットを考えて、どの治療法を選択するか決めることが大切です。
花粉症を治療する方法として、今回のような病院での治療法の他にも、体質改善という手もあります。次は体質改善による花粉症の治療法を見ていきましょう。