市販されているものの中で、一般にコンビニやスーパーで見かける歯磨きの多くは医薬部外品で、殺菌成分などにより、「歯周病(歯肉炎や歯槽膿漏の総称)」の予防をしたり、口臭を防止したりするものです。それでは、歯周病を治療する市販薬にはどういったものがあるのでしょうか?
アセス
歯周病薬として、もっともポピュラーな製品です。形状が普通の歯磨きと同じような形をしていますが、適量を歯ブラシにつけるまでは同じですが、歯をブラッシングするのではなく、歯肉をマッサージするように磨くようにして使います。
歯周病を予防するのではなく、すでに歯周病になっていて、歯肉炎や歯槽膿漏の症状を緩和するために用います。効能では、出血・はれ・口臭・発赤・口のねばり・歯ぐきのむずがゆさ・歯ぐきからのうみといった症状を和らげることができます。
成分としては、抗炎症作用と抗菌作用があり歯茎の腫れや発赤を抑え化膿を止めるカミツレチンキ、タンニンを多く含み抗菌作用や止血作用で歯ぐきを引き締めるラタニアチンキ、歯肉の腫れをとる働きがあるミルラチンキが配合されています。
植物性抗菌成分が配合されているため、歯周病及び歯垢などを分解して口臭の原因ともなっているジンジバリス菌にも効果があるので、歯周病による口臭の軽減にも効果があります。
歯肉をブラッシングした後,本剤1mLを水で15倍に薄めて,歯肉部分を中心に約30秒間、激しく口をすすいで使う「アセス液」も販売されています。
また、アセスについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
G・U・MメディカルマージナルポイントケアA
オーラルケア大手のサンスターの商品で、歯肉や歯と歯肉の境目などに塗る歯周病薬になっていて、歯肉の腫れ・出血・痛みといった症状の軽減の他、口臭や口の粘りにも効き、さらには、口内炎にも効果があります。
抗炎症作用をもったグリチルリチン酸二カリウム、抗菌作用をもったセチルピリジニウム塩化物水和物、歯ぐき細胞を活性化して、歯ぐきの組織を修復するアラントインが配合されています。
ブラッシングの後に、適量をブラシにとり歯肉に塗り込むようにして使います。口内炎に使う場合は、適量を患部に塗るようにして使います。
デントヘルスR
歯磨きの大手、ライオンの製品で、歯ぐきや歯周ポケットに指で塗り込むタイプの歯肉炎・歯槽膿漏薬で、唾液に流されにくい処方になっているのが特徴で、歯ぐきに塗りやすいゲルタイプになっています。
抗炎症作用をもち腫れを抑えるグリチルリチン酸二カリウム、組織修復作用があるアラントイン、殺菌作用があるヒノキチオールとセチルピリジニウム塩化物水和物を配合したゲル状の製品で、使い方はブラッシングの後、適量を指にのせて、歯ぐきに塗り込みます。口内炎の場合は、患部に適量を塗ります。
また、デントヘルスRについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
クリーンデンタルN
日本ゼトックが承認をとり、第一三共ヘルスケアが販売しているもので、こちらも歯周病の症状緩和の他に、口内炎にも効果があります。
歯肉の血行を良くしうっ血を改善するビタミンE、殺菌作用により細菌の増殖を抑えるヒノキチオールとセチルピリジニウム塩化物水和物、抗炎症作用により腫れや痛みを抑えるグリチルリチン酸二カリウム、組織修復作用があるアラントインが配合されています。
使い方はブラッシングの後、適量を指に乗せて、歯ぐきに塗り込むようにして使用します。また、口内炎の場合は、患部に適量を塗ります。
また、クリーンデンタルNについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
排膿散エキス錠J
漢方の大手、ジェーピーエス製薬から出ている製品です。排膿散は、キジツ・シャクヤク・キキョウの3生薬からなる漢方処方です。
比較的、体力があり、患部が化膿する方の皮膚疾患や歯肉炎、扁桃炎の改善に用いられ、食前又は食間に水又はお湯にて服用します。
また、排膿散エキス錠Jについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
歯周病の治療をするための市販薬は、効能面から言うと、歯周病の症状を緩和する植物エキスやアラントインなどが含有された市販薬か、歯肉炎の初期に使われる排膿散及湯という漢方製剤の2つに大きく分けることができますので、自分に合ったものを見つけて使うようにしましょう。