糖尿病は初期の頃には自覚症状が出ないために、診断が行われるまでに進行してしまうとされていた病気ですが、かつてに比べると血液検査で発症する予備軍であるかのサインを見つけられるようになって来ました。今回は、糖尿病の有無や血糖コントロールをチェックするために役立つ血液検査についてご説明します。
糖尿病とは
糖尿病とは、血液に含まれる糖分が定められた基準値よりも高い状態になっていることを意味します。インスリンの機能が十分に働かなくなり、ブドウ糖が使われなくなります。そのため、血糖値が高くなってしまいます。
軽度では自覚症状が出ないために、放置してしまうこともありますが、糖尿病は全身にさまざまな症状を引き起こしてしまいます。また、糖尿病は、4つに分類されるのですが、1型糖尿病や2型糖尿病、その他の特定の原因で起こる糖尿病、妊娠糖尿病があります。
血液検査の数値は?
基準となるのが、血糖値ですが、異常がない場合には、空腹血糖値は80~110mg/dLで食事をしてからになると一旦140mg/dL程度に上がることがありますが、次第に下がって行きます。しかし、糖尿病の人や予備軍とされている人は、140mg/dL以上の高血糖の状態が長く続いてしまいます。
糖尿病があるかどうかを知るための最低限の血液検査で、まず、行われるのがこの血糖値の測定ですが、病院ですぐに受けることができます。そのため、会社の検診で判明したとか他の病気のために受診して血糖値が高いのが半径したということも珍しくありません。
“HbA1c”にも注目!
次に一般的な血糖値の数値だけでの判断になると、採血した当日の状態だけしかわかりませんので、積極的に行われているのが「HbA1c」です。この数値は、採血した日から過去1~2ヶ月の平均的な数値が分かるので、血糖コントロールがしっかりと出来ていたかどうかが明白になります。
たとえば、採血当日だけ糖質を控えていると血糖値は低くでるので、それだけの検査では充分だと言えませんが、HbA1cを観察すれば過去の状態まで平均値を知ることができるので、血糖値の推移を知ることができれば、必要に応じて予防や治療を直ちに始められるようになります。
HbA1cの数値は、6.5%以上になると糖尿病の疑いが強くなりますので、他の検査数値と照らし合わせて判断されます。そして、75g経口ブドウ糖負荷試験は、空腹時血糖値、HbA1cの数値で明らかに高血糖だと予測出来ている場合に、ブドウ糖液を飲んで30分後・1時間後・2時間後と血糖値を測定して判断をします。
まとめ
糖尿病の有無をチェックするには、血液検査がとても有効な手段になります。また、糖尿病の疑いがある方や糖尿病の方も、適切に定期的な血液検査で血糖コントロールが出来ているかを知ることで予防や治療を正しく行えるようになるので欠かせない検査ですね。