自分の意思とは関係なく出てきてしまう鼻水ですが、花粉症などのアレルギー反応や風邪やインフルエンザの際、止まらない鼻水はどこから分泌されるのでしょうか?
人前ですぐに鼻をかむことができない時や、疲れて寝ようとする時に睡眠の妨げにもなりとてもつらく、鼻水は単に不快でしかありませんよね。
しかし、鼻水は防御反応によるもので、私たちの大切な体を守るために働いている結果としての症状です。今回は、鼻水が出るメカニズムについてご紹介致します。
鼻水の分泌はどこから出るの?
鼻水は、粘膜表面の下の粘膜固有層にある「鼻腺(びせん)」というところで作られています。粘液腺ではネバネバ成分の分泌液が、漿液腺からはサラサラ成分の分泌液が、出てきます。
三叉神経と副交感神経により鼻水の分泌量の調節をしています。鼻の中で化学的・物理的刺激や温度変化が起こったりすると、脳幹に信号が送られます。そこから、上唾液核、副交感神経、鼻腺へと伝わり鼻水となります。
鼻水が分泌される3つの器官
鼻水は、涙腺・鼻腔・副鼻腔の器官から分泌されます。
涙腺
涙腺からの分泌液は、目の表面を潤す役割があり、涙腺から出た涙の一部は鼻腔に流れていき、乾燥から鼻腔内を保護しています。
鼻腔
鼻の入り口は小さいですが、その奥は上顎から目の下までの広い空間があります。この空間で分泌された鼻水が多すぎる場合、鼻の穴から流れ出てきます。
鼻腔の中でつくられた分泌液は、通常は、健康な状態を保つために大切な役割を果たしています。呼吸をするときに適度な湿度を保つ役割があり、鼻腔・咽頭・喉頭・気管などを乾燥から守っています。
副鼻腔
目や鼻腔のまわりに副鼻腔という空間があります。副鼻腔と鼻腔はつながっているので、副鼻腔に分泌液が増えると鼻水の量も増加することになります。
この部分に多くの分泌液が溜まると頭痛や咳、鼻づまりなどを起こす副鼻腔炎になります。
鼻について
鼻の機能は私たちの健康を保つために、呼吸を助けたり、気道を守ったり、臭いの判別の嗅覚を担っています。
口呼吸だけでは、ウイルスや細菌、乾燥した空気や冷気などが直接体内に取り込まれて病気を引き起こす原因になってしまいます。
鼻から空気を吸い込むことにより、空気の流れがゆるやかになるだけでなく、冷気を温めてから体内へ送り、鼻腔の適度な湿度は、空気の加湿、病原体や異物を体内に入れないためのフィルターの役割も果たします。
嗅覚は、食事をおいしいと感じるために大切な役割だけでなく、危険物質のガス漏れなどを察知できることにより、命を守る働きもしています。
最後に
鼻水の分泌はわずらわしいものですが、アレルギー反応やウイルスの排出など大切な役割も果たしています。
どうしても、鼻水を止めたいときには、抗ヒスタミン剤を服用することにより一時的に止めることができます。副作用で眠気が起こりやすくなるので、その点は注意しながら服用しましょう。