風邪やインフルエンザが長引いて、微熱や頭痛が残ってしまうことはよくあります。このように原因がわかっているときの症状は、からだを休めたりすれば、時期がきたら自然に回復していきます。
しかし、微熱や頭痛が続いていているのに思い当たる原因がわからないという場合は、さまざまな病気を発症しているサインの可能性もあります。ここでは、微熱と頭痛が続く病気について一覧にして紹介していきます。
微熱と高熱の定義は?
一般的な発熱の定義は、微熱は37.0~37.9℃、中等度熱は38.0~38.9℃、高熱は39.0℃以上の3段階に分ける考え方や、微熱は37.0~37.9℃、高熱は38.0℃以上とする分け方もあります。
この定義はあくまでも目安でしかなく、人それぞれ平熱というものは異なるので、健康なときの自分の体温を基準として体調の変化を見極めます。
平熱が37.0℃くらいの人が、1度上がって38.0℃になっても、体感的にはあまり高熱があるというほどつらい症状でない場合があります。
逆に、平熱が35.5℃の人が1度上がって36.5℃になった場合、定義的には熱がないという考え方ですが、本人は倦怠感を感じていて体調がすぐれないかもしれません。病気を早期発見するためにも、自分の平熱を把握しておくことが大切です。
肺結核
肺結核の初期症状は、風邪の症状に似ていて、微熱や頭痛、咳や倦怠感などが続き、自分では風邪だと判断し、咳止めや解熱剤を服用し、一時的な症状の緩和をさせながら過ごしてしまい、症状がいつになっても治まらないということで気づくこともあります。
肺結核は、結核菌を吸い込むことにより発症する感染症で、進行すると止まらない咳や血痰、高熱などあきらかな体調の変化があります。
しかし、初期の段階では、自分でも結核菌に感染していることがわからず普通に社会生活を送ってしまい、多くの人に感染を広げてしまう集団感染の危険性もあります。
長引く症状がある場合は、肺のX線検査も含めた結核の検査もしてもらいましょう。
肺炎
肺炎には、細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、カリニ肺炎などがあります。風邪やインフルエンザなどがスムーズに回復せずにこじれてしまい肺炎を起こしてしまうこともあります。
細菌感染による肺炎は高熱や血痰などがあり症状が強く現れますが、軽い風邪のような微熱や頭痛、倦怠感などが続いていてなかなか治らない肺炎の場合もあるので、医療機関での血液検査や肺のX線撮影などで確認してもらいましょう。
自律神経失調症
自律神経は、自分の意思では動かすことのできない、血管や内臓の働きをコントロールしている神経です。
交感神経が優位に働いているときには、心拍数、血圧を上げる作用があり、気持ちをゆっくりリラックスさせるときには、副交感神経が優位になる必要があります。
しかし、不規則な生活やストレスなどを抱えていると、自律神経のバランスが崩れ、必要なときに必要な働きがなされなくなります。
自律神経失調症になると、原因不明の微熱や頭痛だけでなく、めまい、動悸、血圧の上下、発汗、ふるえ、など人によってさまざまな不快症状が現れて日常生活をスムーズに送ることが難しくなります。
内科などの医療機関で検査しても病気が見つからない場合は、心療内科などを受診することで解消されることもあります。
慢性疲労症候群
日常生活に影響がでるほどの疲労感が6ヶ月以上の長期にわたり続く状態を慢性疲労症候群といいます。風邪のような症状からはじまることが多く、微熱や頭痛があり、からだのだるさがいつまでも続いてしまいます。
しだいに睡眠障害なども現れ、社会生活をスムーズに送ることができなくなってきます。原因はまだ不明で、ホルモンの分泌量の異常、脳の血流量の異常、栄養不足、アレルギーなどの持病があることも多くみられます。
ストレスにより、からだの異常を引き起こしたり、病気の際の安静状態からスムーズに健康を取り戻せなかったりすることにより慢性的な疲労感が長期に抜けなくなってしまうなど、確実な原因が不明であると同時にいくつもの要因があるとも考えられています。
医療機関で、内分泌の検査なども合わせておこない症状が改善する方法を相談してみましょう。
まとめ
白血病、膠原病、慢性副鼻腔炎、貧血、アレルギー症状、妊娠の初期症状、月経前症候、更年期障害などでも同じような症状が起こることがあります。
長引く微熱や頭痛がある場合は、自己判断で薬などを服用せず、医療機関でホルモンの検査や血液検査など詳しく調べてもらいましょう。