上を向いたとき首が痛くなるとき、どのような病気が考えられるのでしょうか。また、どんな対処法が必要になってくるのでしょうか?ここでは、上を向くと首が痛いときの原因や対処法についてまとめていきます。
原因は?
それでは、上を向くと首が痛む原因を見ていきましょう。
ストレートネック
長い間デスクワークをしていた後、上を向くと首が痛い原因として、「ストレートネック」が考えられます。これはパソコンやスマホの普及で増えてきているとも言われています。
猫背の状態で下を向いて長時間スマホやパソコンの画面とにらめっこしていると、普通は少し湾曲している首の骨がまっすぐな状態になってしまうことからストレートネックと呼ばれています。
もちろん正常な首は湾曲しているところがまっすぐになってしまっているので、異常自体であり、首の運動にも制限が起きてしまいます。ストレートネックは、顎を引いて上を向く動作をするときに痛みが強くなるのが特徴です。
高い所にあるものを取ろうとしたとき、ビルの上の方を見上げたとき、上を向くことになりますが、このとき首の骨は自然と後ろに反ることになります。首の骨、頸椎の後ろには神経が通っていますが、反らしたときにこの神経が刺激・圧迫されると痛みを感じます。
頸椎椎間板ヘルニア
上を向くと首が痛い原因としては、頸椎椎間板ヘルニアも考えなければなりません。首の骨に該当する7つの骨は頸椎と呼ばれていますが、頸椎の骨と骨の間には、クッションとしての役割を果たす頸椎椎間板があります。そして、頸椎の後ろには脊柱管という管が通っていて、その中をとても太い神経である脊髄が通っています。
頸椎椎間板ヘルニアは、年齢や運動による負荷が原因で、頸椎の骨と骨の間でクッションの役目をしている椎間板の機能が壊れ、中からゼラチン状の随核が飛び出して頸椎の神経を圧迫することでしびれや痛みが起こります。特に上を見上げる動作や咳・くしゃみをすると痛みが増強する傾向にあります。
対処法は?
痛みが強かったり、長く続いたりするようでしたら、頸椎椎間板ヘルニアの可能性もあるので、整形外科を受診することをお奨めします。X線では頸椎の骨の異常はわかりますが頸椎椎間板ヘルニアかどうかの診断はできませんので、MRIで検査が行われます。
頸椎椎間板ヘルニアだと痛みに対しては、日常生活に支障を来さないレベルであれば経過観察ということになりますが、少し痛みが気になるといった場合には鎮痛消炎剤が処方されます。
ストレートネックの場合は、バスタオルを丸めて首枕して、顏を左右に10~20回振ってから、そのまま寝てストレッチすると緩和されます。
また、後頭部の髪の生え際で、首の中心にある僧帽筋のすぐ外側にある「天柱」というツボを40~50秒ほど指圧のような感じで押すとラクになることがあります。
まとめ
上を向くと首が痛いときは、ストレートネックや頸椎椎間板ヘルニアが考えられます。頸椎椎間板ヘルニアかどうかを確認するために、痛みが気になるようでしたら整形外科を受診すると良いでしょう。
日常生活に支障がない場合は経過観察ということになりますが、ストレートネックの場合は、軽いストレッチをしたり、ツボを刺激したりすることで軽減していくことがあります。