
テレビでタレントが整体とかカイロに行って、首をポキポキっとされてイタタタタ!といって笑いを取ったりするシーンを見たことがある人もいるかもしれませんが、首の骨をポキポキっと鳴らすことは、体にとってどうなのでしょうか?
首の骨はなぜ鳴るのか?
首に限らず、指などの関節を曲げたりしても、ポキポキポキって音が出たりします。これは専門的には「キャビテーション」という現象で、これは液体中に生じた気泡がはじけるものです。
よく指の関節を曲げたり、首をかしげてポキポキしたりしている人がいますが、これは骨と骨が擦れて、その摩擦によって「フィンガートラップ(指パッチン)」のような感じで音が鳴っているわけではありません。
詳しく説明すると、首の骨と骨の間のすき間には、円滑に首が前後左右に動くように潤滑液に相当する「関節液(滑液)」という液体が存在しています。この関節液には空気が溶けています。普段動かしている方向と逆方向に動かしたり、いきなり急に大きき動かしたりすることで、骨と骨のすき間の体積が急変し大きくなり、関節内の容積が増えてしまいます。
すると、容積が増えたのですからその間にある空気が溶けている関節液の水圧は低くなります。水圧が低くなると、関節液に溶けていた空気が溶けていられなくなり気泡となって外に出てきます。ちょうど炭酸水のボトルのフタを開けると、圧が急に下がるので二酸化炭素の泡が次から次へと出てくるのと同じ原理です。
こうして出てきた気泡が弾けることで、ポキポキと音がするのです。だから1回鳴らしてしまうと、気泡が出て発散されいるので、しばらく鳴らすことができません。
首の骨を鳴らすと体に悪いのか?
結論を先に言ってしまうと、素人がやたらめったらに首の骨を鳴らすことは百害あって一利なしです。首の骨を鳴らすとき、どのようなことが起きているかというと、骨と骨の間の液体から気泡が出て、その気泡が弾ける瞬間、一瞬にして1平方メートルあたり1トンの力が働いています。
首の骨と骨の間の液体部分の面積を1平方センチメートルとすれば、面積が小さいので実際にかかっている力は100gということになりますが、首の骨の周りには頭と体を結ぶ血管や神経がたくさん通っています。たとえ100gの衝撃でも、デリケートな血管や神経の組織に微細な損傷が起こる可能性は十分にあります。
体に悪い理由は?
つまり、首という頸椎の中に動脈や静脈が通っている部分をポキポキと鳴らし、衝撃を加えることは、その部分の血管内部を傷つける可能性があり、そうなると動脈硬化が起きたり、血栓を作りやすくなったりして、それが脳梗塞や心筋梗塞などの引き金にもなりかねません。
確かに1回ポキポキ鳴らして100gの負荷がかかったからて、どれだけのリスクがあるんだよと言われれば、リスクは極めて低いのですが、塵も積もれば山となる、雨垂れ石を穿つという諺にもあるとおり、繰り返して行っていると、やがてリスクがどんどん蓄積していってしまうということになります。
まとめ
首の骨を鳴らすことは、首の血管や神経を傷つける可能性があり、脳梗塞や心筋梗塞にもつながるリスクもあります。1回鳴らしたからといって、すごいリスクがあるということではありませんが、積み重なるとやはりリスクはあがってきてしまいます。むやみやたらいに首の骨を鳴らすのは止めるべきです。