口の中が何だか腫れぼったいと感じることがあります。なぜでしょうか?ここでは、口の中が腫れるときに考えられる病気を一覧にしてまとめていきたいと思います。
カタル性口内炎
口の中が全体的に赤く腫れていくので、健康な粘膜との境界が分かりづらいうえに、痛みもひどくはありません。原因はウィルスではなく外的な刺激によることが多いです。
歯列矯正器具が慢性的に粘膜にあたり刺激を与えていた場合とか、子供の場合は玩具などを口でしゃぶっていたりすることで発症します。
まずは口腔外科を受診し、粘膜に刺激を与える原因となっているものを特定し、それらを取り除くことです。その後はうがいなどで口の中を清潔に保つことが大切です。
虫歯・歯槽膿漏
虫歯は初期の段階では痛みはありませんが、放置していると悪化していき深く神経まで到達すると痛みがでます。さらに放置すると神経までも死んでしまい、腐った神経が歯根から細菌をまき散らされます。
そのとき人の体は、菌の拡散を抑えるために菌をため込んでおく袋を口の中に形成するので、それが腫れとなって痛みを感じるようになります。悪化した虫歯は抜歯による治療が必要です。
また虫歯が悪化している人は歯槽膿漏も併発していることが多く、プラークと呼ばれる歯垢やそれが硬くなった歯石などを除去する治療が必要です。
歯垢は日頃から正しい歯の磨き方をすることで予防できますが、喫煙をしている方は歯槽膿漏になりやすいので禁煙を心がけてください。
エプーリス
歯肉に発症する良性の腫瘍のことで、歯槽膿漏や歯周病とは異なり、義歯などの噛み合わせが悪く歯茎に局部的な刺激を与え続けてしまった場合に発生します。
この腫瘍によって歯列が傾いてしまうなどの症状も出ます。まず、刺激の原因を特定した上で、外科手術による腫瘍の切除によって治療します。
ベーチェット病
難病の一つですが、初期症状として口の中の粘膜や舌、唇などに潰瘍ができるのが特徴です。
この潰瘍をアフタ性口内炎と呼びますが、ベーチェット病自体については根本原因が不明なので対症療法がとられます。口の中の潰瘍にはステロイド外用薬が用いられます。
舌がん
口の中のがんで一番発症率が高いのが舌がんです。初期段階では口内炎と間違えやすいですが、口内炎と思って放置したが1ヶ月以上経過しても治癒せず、舌の先端部や真ん中ではなく側面にしこりができて、出血している場合は舌がんの疑いがあります。
口腔外科のある総合病院を受診してください。治療法には、外科手術や放射線治療、化学療法などがあります。
まとめ
口の中の腫れの原因となる病気はさまざまですが、生命にかかわる難病の可能性もあることを踏まえ、日頃から口の中の状態に気を配ることが必要です。