過呼吸(過呼吸症候群、過換気症候群)の原因は精神的なストレスが代表的なものです。また激しい運動や水泳などの大量に息を吸ったり吐いたりする行動も、ときに過呼吸の原因となります。
中には、泣いてしまったときに過呼吸になってしまう人もいます。なぜ泣くことが過呼吸につながるのか、そのときどのような症状が起きるのか、対処法と合わせて紹介していきます。
泣くことによる過呼吸の仕組みは?
人はどのようなときに泣くでしょうか。嬉しいときや悲しいときなど、感情が大きく揺れているときです。この状態は、精神的なストレスがかかっているのと同じ状態であり、呼吸にも関わっています。
泣くときというのは、大抵の場合、大きく息を吸ったり吐いたりと激しい運動をしているのと変わらない状態でもあります。精神的ストレスと激しい運動を行っている状態が合わさり過呼吸が起きやすいと考えられています。
泣くことで起きる過呼吸の特徴は?
過呼吸の症状には、息苦しさ、動悸、めまい、手足のしびれなどがあります。泣くことが原因で引き起こされる過呼吸の症状には、息苦しさと手足のしびれ、体の硬直などが多く見られます。
しびれが起きたときでも、過度に不安になることはありません。正しく過呼吸の対処を行えば、1時間程度で回復することが多いからです。
過呼吸が起きたときの対処法
過呼吸が起きたとき、ペーパーバッグ法と呼ばれる方法が良いとされていました。この方法は、紙袋などを口に当てて、自分の息を吸い込むことで、呼吸を調整するものでしたが、最近では、この方法は推奨されていません。
過呼吸が起きている人は「このまま死ぬかもしれない」といった恐怖感や過度な不安感に襲われることが多く、その場合、パニックを引き起こすこともあります。
そのような状態で口が塞がれていると、さらにパニックを増長させることもあったり、また窒息させてしまうケースもあることから、別の方法が推奨されるようになっています。
一つは、ゆっくりと浅く呼吸を行うようにすることです。1呼吸につき10秒かけるようにすると良いとされています。ただし、正確に10秒である必要はありません。できる限りゆっくり10まで数えながら浅く呼吸をするように意識するのが重要なのです。
その方法が合わないならば、10秒間息を止めることを数回繰り返し、呼吸が楽になってきたら、浅めの呼吸をし、落ち着いてきたら、普通に呼吸を行うという方法もあります。
まとめ
過呼吸を引き起こしている人を見かけた場合、周囲にいる人も協力してあげることが重要です。このとき、過呼吸を引き起こしている人と一緒に慌てたり、焦ったりせずに「落ち着いて」などと声をかけて安心させるようにしましょう。
過呼吸になったとき、体内では二酸化炭素濃度が低下している状態になっているので、一緒にカウントするなどの方法で呼吸のリズムを作ってあげるのも良いかもしれません。
決してやってはいけないのが深呼吸です。さらに二酸化炭素濃度を下げるおそれがあるため、深呼吸を促すことはしないよう注意しましょう。