爪の病気にはいくつかの種類がありますが、大別すると爪自体に原因があるもの(巻き爪、爪白癬、爪カンジタなど)と、爪以外の原因疾患があり、爪にその症状現れているものに大別することができます。今回紹介するバチ爪とは爪以外に原因疾患がある病気です。それでは、詳しく見ていきましょう。
バチ爪とは
漢字で書くと「撥爪(ばちづめ)」となりますが、文字通り撥という太鼓を叩く棒の先端のように指先が丸く膨らんでくることにより、爪後廊という爪の付け根を覆っている皮膚と爪の角度に異常をきたしている爪のことです。
正常な爪を横から見ると、爪と爪後廊の角度は160度位になっていますが、この角度が水平、つまり180度もしくはそれ以上だとバチ爪の可能性があります。
左右の手の同じ指の第一関節から爪先を背中合わせにくっつけて横から覗いてみると、隙間が空いているのがわかりますが、バチ爪の場合ぴったりとくっついて隙間がありませんので、この方法で角度を簡単にチェックできます。
バチ爪は足よりも手の親指や人差し指に症状が現れることが多いのですが、痛みが伴わないため気づかないこともあるので要注意です。
バチ爪の原因
原因はなんらかの原因疾患、特に「内科(呼吸器系・循環器系・消化器系)の病気」が原因となっているとされていますが、正確な原因は特定されていないのが現状です。
具体的には先天性心疾患、肺癌、肝硬変、潰瘍性大腸炎などが上げられますが、肺癌がバチ爪の原因疾患として最も多いというデータがあります。
指先の肥大は末端神経に流れる血流量が異常に増加していることが原因だと言われています。
バチ爪の治療法
バチ爪は自己治療では治すことができません。巻き爪や爪白癬のように爪自体が原因の病気ではないのですから、内科で総合的な診療を受けて、バチ爪の原因となっている病気を治すことが最善の治療と言えるでしょう。
少しでもバチ爪の症状に心当たりがあるならためらわず可能な限り早く受診されることが大切です。
まとめ
バチ爪には原因疾患があるとはいっても、必ずあるわけではなく、遺伝性のものや何ら原因疾患のないものもありますし、症状がとても似通っていてもまったく違う爪の病気のこともあります。
自己診断によって悩む前に医療機関の診察を受けることが大事です。爪の異常は何らかの原因疾患のサインであることが多いので、普段から爪の状態には気を使っていると様々な病気の早期発見にもつながります。