
腹部には重要な臓器が含まれており、それに起因した障害が様々な痛みを引き起こすと考えられます。また男女で腹部の臓器が若干違いますので、今回は、男女に分けて下腹部の痛みを引き起こす原因についてまとめていきたいと思います。
目次
女性の場合は?
まずは、女性の下腹部の激痛の原因について見ていきましょう。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の周りの平滑筋にできる良性の腫瘍の総称です。成人女性の20〜30%で見つかると言われますが、悪性ではないので命に別状はありません。
通常自覚症状はほとんど現れませんが、症状が進行して組織の変性などを伴うようになると激しい痛みを引き起こすようになります。
子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜あるいはそれに似た組織、主に骨盤に異常が発生し、女性ホルモンの刺激を受けて大きくなっていく病気です。
生殖年齢にある女性の10〜15%は子宮内膜症とされ、患者数は増加傾向にあるようです。子宮内膜症患者の大部分は生理痛を訴え、さらに約半数で下腹部痛がみられます。
卵巣腫瘍
卵巣腫瘍とは、卵巣にできる腫瘍を指し、両性・悪性・境界悪性の3つに分類されます。卵巣は子宮の左右に2つある臓器で通常はその片側に腫瘍が形成されます。
このため片側の腹部に痛みを感じるという症状が初期に見られます。卵巣腫瘍はかなり腫瘍が大きくならないと自覚症状が現れません。
腫瘍が大きくなると腹部でねじれ血液が流れなくなることで壊死が起こり周辺組織の炎症を引き起こすことでさらに大きな痛みを引きおこすことがあります。
膀胱炎
膀胱は腎臓で越された老廃物を溜めておく臓器で、そこに菌などが入り込み繁殖して炎症を起こすと膀胱炎になります。膀胱炎にはいろいろな種類がありますが、そのうち、急性膀胱炎が最も多い種類になります。
急性膀胱炎の原因菌のほとんどは腸内に住む大腸菌で、尿管を通って膀胱に入り込むことで炎症を引き起こします。基礎疾患のない健康な女性がかかりやすい病気として知られています。
虫垂炎
虫垂と呼ばれる臓器が、菌の混入などによって炎症を起こす病気を言います。一般的な初期症状としては、へそ周りの上腹部が突然痛み出し、その後右腹部へ痛みが移っていきます。虫垂炎は男女ともに発症し年齢的には10〜20代が多いですが、幼児、高齢者でも発症します。
男性の場合は?
続いて、男性の下腹部の激痛の原因について見ていきましょう。
前立腺炎
前立腺は男性にしかない生殖活動に必要な臓器です。この前立腺に菌が入り込み炎症を引き起こすと前立腺炎を発症します。
炎症に伴って発熱、残尿感、排尿時痛などを生じます。大きく急性と慢性の2種類があり慢性の場合には症状が穏やかなため気づかないことがあります。
虫垂炎
女性と同様に男性も虫垂炎にかかることがあります。(詳しくは、女性の「虫垂炎」に関する部分をご覧ください。)
尿路結石
腎杯・腎盂・尿管・膀胱・尿道をまとめて尿路と言いますが、この尿路に結石が出来ることを尿路結石と言います。特に腎杯・腎盂で出来た結石が尿管に降りてきて尿の通過障害を引き起こす場合、激痛を引き起こします。
尿路結成は30〜60代の男性に多く見られる病気です。結石の大きさによって処置が変わり、症状がある場合の約70%は自然排石とし、残り30%には手術が必要となります。
腸閉塞
腸閉塞は腸の一部が狭くなったり、腸の動きが悪くなることで内容物が詰まって痛みを生じる病気です。痛みは激痛が続く場合と強い痛みの後症状がしばらく回復するといった痛みの強弱が定期的に現れる場合があります。
腸閉塞は大別すると腸のねじれ、腫瘍形成などにより生じる機械的腸閉塞、神経の異常や炎症などの影響で腸の動きが滞ることで機能的腸閉塞がありますが、いずれも自然治癒は望めませんので、迅速な病院での処置が必要です。
膀胱炎
女性より頻度は低いですが男性も膀胱炎にかかります。(詳しくは、女性の「膀胱炎」に関する部分をご覧ください。)
まとめ
腹部に感じる痛みの原因には様々あり、また男女で特有なもの、発症頻度が違うものなどもあります。原因によって適切な処置が変わってきますので、症状をよく見極めて適切な対応をすることが肝要です。