
爆発や火災などに巻き込まれた場合など、全身やけどを負って病院へ搬送される方もいます。全身やけどとはどのような状態なのでしょうか?ここでは、全身やけどとはどのような状態を言うのかや、治療法、後遺症が残る可能性についてまとめています。
全身やけどとは
全身やけどは、単純にやけどを負った部分の全体表面積に対する割合だけでは判断できません。一般的に、全対表面積を100とした場合、レベル2度と3度のやけどを負っている部位に対する体表面積の割合で判断します。
そこで「9の法則」というものがよく用いられます。これは、「体の部位を11に分けて、9×11で99パーセントとし、残り1パーセントを陰部として計算する方法」です。
例えば足なら、ひざ上とひざ下の2つの部位に分け、それぞれが9ですから片足で18パーセント、両足なら36パーセントと計算します。大まかな計算ですが、初期治療の目安としてはとても有効です。
また9の法則は成人において用いられるもので、子供には「5の法則」というものが用いられます。9の法則、または5の法則のパーセンテージは部位によるダメージの差も考慮されたもので、単純な体表面積の比ではないことも知っておくとよいでしょう。
成人では2度のやけどを15から20パーセント負うと全身に影響が及ぶため、ここが全身やけどと、部分的なやけどの境です。子供の場合は成人の半分の10パーセントで全身やけどと判断されます。
治療法は?
全身やけどを負うと、まず体の熱と水分が奪われますので、血圧の急激な低下が起こります。したがって、体に毛布を巻くなどして水分の蒸発を最小限に抑えつつ、点滴や輸血などの応急処置がとられます。また自分で呼吸できない場合もありますので、その際は気道を確保し人工呼吸処置もとられます。
全身やけどを負って搬送中は意識があったのに病院へ付いた時には命を落していたというケースも多くありますので、搬送中の処置も大変に重要です。病院へ搬送後は、まず感染を防ぐため壊死した皮膚組織の除去手術が行われます。
その後の治療は部位とやけどの深さによって異なり、3度の部分の治療には植皮による治療がとられますが、自分の皮膚を使うだけでは足りないくらいの広範囲にわたる重症のやけどの場合は、人工皮膚や培養皮膚を使用することもあります。2度のやけどでの部位に対しては一般的に湿潤療法がとられることが多いです。
後遺症が残る可能性は?
やけど治療後に皮膚が赤く盛り上がった状態になるケロイドや、皮膚の引きつりなどによって関節が動かしづらくなるなどの機能障害が残る恐れがあります。
ですので、やけどの治療とは別の治療がそれぞれ必要ですが、症状の度合によっては完全治癒ができないこともあります。
特に常に人の目に触れる顔面に重症のやけどを負って跡が残ってしまうと精神的な面での後遺症も懸念されます。
まとめ
全身やけどの治療には時間がかかります。長期的な視野に立って治療していくことが大切です。新しい治療法も開発される可能性もあるからです。