
やけどをしてしまったらまずどうしますか?応急処置としては、「まず水で冷やすこと」が一般的に知られていますが、その後の処置はどうすればよいのでしょう?
やけどの程度、適切な応急処置と治療、そしてアフターケアによって跡が残らないように完治させることもできます。
そのために最適な治療として、近年行われている治療に「湿潤療法」と呼ばれる治療法があります。ここでは、やけどの処置におすすめの方法として、湿潤療法に焦点を当てて見ていきたいと思います。
湿潤療法とは?
従来のやけど治療は、消毒した患部に薬を塗布しガーゼで保護するというものですが、一方で湿潤療法は逆に患部を消毒せず、薬も塗布せずに潤いを保たせるようにして治療していきます。
具体的には、ガーゼではなく被覆材で患部を覆って、体から出てくる「滲出液(しんしゅつえき)」により患部を湿潤な状態を保ち、滲出液が皮膚を再生させる働きを利用して治癒を促進させるというものです。
滲出液には細胞の成長に大切な役割を果たす物質が多く含まれており、患部をガーゼで覆ってしまうとガーゼが滲出液を吸収してしまい、患部を乾燥させてしまう上に皮膚に癒着したガーゼを交換する際に皮膚を痛めてしまうことがあります。
湿潤治療は、比較的やけどの跡が残らないというメリットがありますが、やけどの程度や部位によっては有効ではない場合もあります。
市販の被覆材には「キズパワーパッド(Johnson&Johnson)」や「ハイドロウェット(森下仁丹株式会社)」、「ケアリーブ(ニチバン株式会社)」などいくつかの種類があり薬局で購入できます。
湿潤療法はどんなやけどに有効?
一言にやけどと言ってもその症状によっていくつかの種類があります。皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層からなっていて、どの深さの層までやけどの影響が及んでいるかによって基本的に1度から3度にやけどのレベルに分けられています。
そのうち2度のやけどは、「浅達性2度(真皮という真ん中の層の表面まで達しているもの)」と「深達性2度(真皮の深層部まで達しているもの)」の2段階に分けることができます。
また、それぞれのやけどがどんな状態を指すかというと、1度のやけどは「表面が赤くなっているだけで水ぶくれができていない状態」になります。
先ほど出てきた、浅達性2度は「赤くなり、痛みがひどく水ぶくれができている状態」、深達性2度は「赤く腫れて水ぶくれができているが、痛みは軽度で水ぶくれの下の皮膚が白くなっているような状態」です。
さらに、最も重症な3度は、「水ぶくれもできず痛みもなく皮膚が白や黒に変色しており、皮膚の全層、つまり皮下脂肪付近にまでにやけどが及んでいるレベル」を指します。
湿潤療法とは、やけどを負った際に体から出てくる滲出液を被覆材で保持して治癒を促進させる療法ですから、滲出液の出てこない1度と3度のやけどには効果がありません。
まとめ
やけどをしてしまったらまず水で冷やすことです。水で冷やす場合は水道水を使用し、できれば洗面器などにためた水に浸けて冷やすと皮膚を痛めずに済みます。
冷やす時間は15分から30分くらいが適切です。また氷で冷やすのは避けてはください。凍傷や低体温症を引き起こすこともあります。
レベル1度のやけどであれば病院へ行く必要がないとも言えますが、数日で治らないようだと2度以上の可能性もありますし、部位によってやけどのレベルが違うケースもあります。
ですので、やけどを負った直後ではやけどのレベルは正確に判断できないことがありますので、少しでも不安があれば速やかに受診することが大切です。すぐに受診できない場合は市販の被覆材で患部をガードしておくことが有効です。