冬になって乾燥してくるといつも肌がカサカサ、夏でも水仕事で手が荒れてしまう、そんな方の中には白色ワセリンの愛用者という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、白色ワセリンとは何なのかと聞かれた時に明確に答えられる方は少ないのではないでしょうか?今日はそんな白色ワセリンについて詳しくご紹介していきたいと思います。
効果
白色ワセリンは塗り薬の分類的には基剤と呼ばれるもので、実際に薬理作用のある成分が入っている塗り薬とは少し毛色が異なります。一般的な軟膏のお薬はこの白色ワセリンに何らかの有効成分が混ざっているものが多いのです。
つまり、白色ワセリンの保湿効果は薬理的な作用ではなく、物理的に油で肌を覆うことで水分が逃げにくくなり、それにより、保湿効果が発揮されています。
ここで、基剤について少し説明したいと思います。塗り薬だけでなく、飲み薬もそうですが、医薬品はそれ全体が有効な成分という訳ではありません。有効成分以外のものを基剤と考えて良いと思います。
塗り薬の場合、この基剤の構成成分は油性成分・水性成分・界面活性剤、およびその他の添加物の4つです。白色ワセリンはこのうちの油性成分になります。
この基剤の組み合わせにより、塗り薬の剤形が決まります。塗り薬の剤形には大きく分けて軟膏剤、クリーム剤、ローション剤があり、含まれる基剤の種類によってさらに細かく分類されますが、ここではこの説明は割愛させていただきます。
同じお薬の成分でも、この剤形により使用感は大きく異なりますし、お薬の皮膚への吸収のされ方もことなるので、塗り薬を選ぶ際にはどの剤形を選ぶかも重要なポイントとなります。
さて、先ほどご説明したように白色ワセリンは油性成分なので、使用感はべたっとしています。先ほどの3つの分類の中では軟膏に分類されます。使用方法は適宜薄くのばして塗っていただくだけです。有効成分が含まれていないので、特に使用回数の制限もありません。
副作用
基本的には副作用はほとんど心配ないですが、食べ物でも合わないものがある人がいるように有効成分が入っていないから全く副作用は起きないとは言えません。
添付文書上では、発疹、かゆみなどが現れた場合には使用を中止し、医師・薬剤師・登録販売者に相談するようにとの記載があります。
また目には入らないように充分ご注意ください。とはいえ、ほかの塗り薬と比べると肌が弱い方やお子様にも比較的安心して使っていただけるお薬です。
まとめ
白色ワセリンは長期での使用も比較的安心なお薬と言えます。上手く活用して、痛いあかぎれや口唇の乾燥を防ぎましょう。