心臓は一定のリズムを保ち働くのが正常です。不整脈にはさまざまな種類がありますが、心房細動は心房がけいれんを起こしたような状態で小刻みに動き、血栓ができやすい状態になります。
血栓ができ、脳の血管に流れ込むと脳梗塞を引き起こしたり、脳以外では腎臓に流れ込んだり、心筋梗塞など重大な病気を引き起こすこともあります。
心房細動と診断されたら血栓を予防するための薬剤が必要になりますが、エリキュースは血液の循環を促す薬剤です。今回はエリキュースの効果や副作用について解説します。
効果
エリキュースはアピキサバンを有効成分とする経口FXa阻害剤の薬剤です。
主に非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中または、全身性塞栓症の発症抑制に用いれます。その他、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症または、肺血栓塞栓症)の治療や再発抑制などにも効果を発揮する薬剤です。
心房細動のように乱れた間隔でリズムを打つと血流が悪くなり、血液の塊ができやすくなります。
血液の塊が脳の血管に飛ぶと脳梗塞など重大な病気の原因となりますが、エリキュースは有効成分が血液が固まるのを防いで血栓ができるのを防いでくれます。
比較的効き目が早いのが特徴で、血液凝固に関わる酵素を阻害することで血液を固まりしにくくしてくれます。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中または、全身性塞栓症の発症抑制には成人に対して1回5mgを1日2回内服します。
また年齢、体重、腎機能に応じて1回2.5mg1日2回の内服へ減量します。
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制では1回10mgを1日2回、7日間内服した後、1回5mgを1日2回内服するようにします。
いずれの場合も医師の指示に従い内服するようにして下さい。
副作用
エリキュースなど血栓予防に用いられる薬剤では出血傾向になることがあるので注意しながら内服するようにします。
主な副作用は、鼻出血、挫傷、血腫、貧血、皮下出血、結膜出血など出血傾向の副作用が現れることがあります。
その他、味覚異常、くも膜下出血、三叉神経痛、歯肉出血、胃腸出血、消化不良、便潜血陽性、口腔内出血、便秘、腹部不快感、上腹部痛、血便排泄、下痢、逆流性食道炎、悪心など現れることがあります。
また血中ビリルビン、γ-GTP増加など肝機能異常、尿中血陽性というような検査値の異常にも注意するようにして下さい。
重大な副作用には頭蓋内出血、消化管出血、眼内出血など現れることがあります。
間質性肺疾患や肝機能障害なども重大な副作用として現れることがあるので状態を観察して異常が現れた時は副腎皮質ホルモン剤の投与など医師の指示に従い処置を受けるようにします。
高齢者の方が内服する際は腎機能の状態に注意しながら慎重に内服するようにします。
併用薬に関しては抗凝固剤やアゾール系・マクロライド系の抗真菌剤、 血小板凝集抑制薬など内服している場合は、薬の相互作用で効果が出過ぎたり、または弱まったりすることがあるため併用薬には注意するようにして下さい。
特に抗血小板薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用療法を必要とする方では、出血傾向になりやすいたいめ注意が必要です。
まとめ
エリキュースは心房細動など血栓をできにくくする薬剤です。心房細動などは脳の血管に血栓が飛んで重症化することがあるので注意するようにしましょう。
血栓を予防する薬剤にはさまざまな種類がありますが、腎臓や肝機能などの生理機能の状態、年齢などを考慮して選ぶようにすることが大切です。