健康な皮膚には細菌などの病原菌の侵入を防ぎ、皮膚を健康な状態に保つバリア機能があります。
しかし、傷ができたり皮膚の表面が乾燥したり、荒れたりして細胞の隙間が大きくなると、そこから病原菌が侵入しかゆみや炎症、化膿症をおこすことがあります。
特に子供や老人など免疫力が弱い人の場合は、すぐに症状が悪化してしまいます。今回は、化膿性皮膚疾患の治療薬コーフル軟膏の効果や副作用ついて解説していきます。
効果
コーフル軟膏は、やけどやきりきず、すりきず、凍傷、あせも、湿疹、皮膚のただれ、床ずれ、肛門周囲炎、口唇周囲炎、臍帯脱落後のびらんなどの肌の諸症状を改善するのに効果があるお薬です。
油脂性の基剤を使用しているので、患部を覆うガーゼや包帯が皮膚に貼りつきにくく、傷口を痛めずにガーゼ交換ができます。
有効成分のアクリノールには、レンサ球菌やブドウ球菌、ウェルシュ菌など各種化膿菌に対して殺菌作用があります。
酸化亜鉛には、皮膚のタンパク質と結合して皮膜を作り炎症を鎮める作用があります。また、患部からの分泌物を吸着して患部を乾燥させます。
ビタミンAは、皮膚の状態を整え、傷ついた皮膚の修復を助けます。使用方法は1日2~3回、適量を患部にすりこむように塗布するか、清潔なガーゼに軟膏を薄くのばして患部に貼付してください。数日使用しても症状が改善しない場合は、使用を中止して医師または薬剤師に相談してください。
副作用
コーフル軟膏は、ほとんど副作用のないお薬です。通常の使用では副作用の心配はないでしょう。ただし、皮膚に発疹や発赤、かゆみ、かぶれなどの症状が見られた場合には、副作用の可能性があります。
これらの症状がでることはまずありませんが、このような症状がでた場合には、すぐに使用を中止して医師や薬剤師に相談するようにしてください。
まとめ
皮膚の化膿症をおこす細菌は常在菌と呼ばれているものも多く、健康な皮膚にも存在します。皮膚の状態が健康で傷がないときや細菌の数が少ないときには問題にはなりません。
化膿症をはじめとする感染症は、その人の免疫力と細菌の増殖力のバランスが崩れたときに症状がでます。皮膚にできた傷やただれは、細菌が増殖するのに最適な環境です。そのため化膿症をおこします。
化膿症を治すためには傷口を清潔にし、細菌の数を減らすことが大切です。正常な免疫力があれば、治療をしなくてもいずれは治ります。
しかし、免疫力が低下している人では、全身に細菌が広がってしまい全身の感染症に進行することもあります。症状を悪化させないためにも早めの治療が有効です。