細菌が体内に侵入すると患部が腫れたり、炎症を起こすなど細菌感染を発症してしまいます。また症状が進行すると発熱したり、化膿するなど回復までに時間がかかることがあります。
細菌感染には抗生物質などが効果的ですが、医師の指示に従わず内服すると病気の回復が遅れたり、耐性菌ができてしまうことがあります。
今回はエリスロシンの効果や副作用について解説します。
効果
エリスロシンは細菌感染に効果を発揮するマクロライド系の抗生物質製剤です。
主に表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、乳腺炎、骨髄炎、扁桃炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、梅毒、子宮内感染、中耳炎、歯冠周囲炎、猩紅熱、ジフテリア、百日咳、破傷風などの疾患に用いられます。
適応となる菌種にはエリスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、髄膜炎菌、ジフテリア菌、軟性下疳菌、百日咳菌、破傷風菌、梅毒トレポネーマ、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)、マイコプラズマ属などに効果を発揮します。
怪我をしたり病気などで細菌が体に侵入すると炎症や発熱など細菌感染の症状が出てきます。
症状が悪化すると化膿したり、重症化する恐れもあるため早めに抗生剤を用いて細菌を死滅させることが大切です。
エリスロシンは細菌のたんぱく合成を阻害することにより、細菌の発育を抑えて症状の進行を抑えてくれます。
通常、成人に対して1日800~1,200mg(力価)を4~6回分割して服用します。
小児においては1日体重1kgあたり25~50mg(力価)を4~6回分割して服用します。
いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減しますが、小児の用量は成人量を上限とします。
抗生物質は耐性菌を増やさないたえにも、医師の指示に従い正しく内服するようにして下さい。
副作用
副作用は少なめですが、併用薬などに注意しながら内服するようにして下さい。
主な副作用は、悪心・嘔吐、下痢、胃痛、鼓腸等の消化器症状が見られることがあります。その他、発疹、蕁麻疹などの過敏症、腹部痙攣、膵炎、視力低下、霧視など現れることがあります。
このような症状が現れたら内服を中止して医師に相談するようにして下さい。
重篤な副作用として偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎が現れることがあるので、腹痛や頻回の下痢などの症状に注意しながらいつもと状態が異なる場合は医師の診察を受けるようにして下さい。
また心室頻拍、QT延長など心電図の異常、ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群など高熱や皮膚の状態など身体の変化に注意するようにしましょう。
急性腎不全(急性間質性腎炎)、肝機能障害、黄疸など肝機能や腎機能の値にも注意するようにして下さい。
エルゴタミンやピモジド、アスナプレビルと併用すると心室頻拍など重大な副作用に繋がる可能性があるので、これらの薬剤と併用しないようにします。
その他、併用薬に注意を要する薬剤も多数あるので、併用薬がある場合は、必ず医師に伝えるようにして下さい。
まとめ
エリスロシンは細菌感染に効果を発揮する抗生物質です。抗生物質は多種類あり、それぞれ薬の特徴により適応となる菌種が異なります。
抗生物質を独自の判断で辞めてしまったり、乱用すると耐性菌の原因になるので医師の指示に従い正しく内服するようにして下さい。