発熱や頭痛などの痛みに対して、比較的安全に、乳幼児から使用できるカロナールですが、薬である以上、副作用のリスクは伴います。適切な使用のため、カロナールの頓服間隔や時間、回数で注意すべき点を確認しておきましょう。
目次
カロナールとは
カロナールは、アセトアミノフェンを有効成分とする解熱鎮痛剤です。アセトアミノフェンが、脳の視床下部にある体温調節中枢に働き、発汗を促すことで解熱し、また、視床や大脳皮質の痛みを認知する部位に働き、痛みを感じる閾値を上げて鎮痛効果を示します。
アセトアミノフェンは、古くからある解熱鎮痛剤で、比較的副作用が少なく、乳幼児から使用できる薬です。多くの市販の風邪薬や痛み止めにも配合されています。
カロナールの頓服間隔は?
カロナールは、1回服用したら、次の服用までに4~6時間以上間隔をあけることとされています。頓服間隔を守らず、短時間に何回も服用すると、血液中の濃度が高くなり、副作用を起こしやすくなりますので、決められた服用間隔をしっかり守りましょう。
時間や回数で注意すべきことは?
カロナールの服用時間や服用回数での注意点をまとめます。
服用のベストなタイミングは?
カロナールを風邪による熱を下げるために使用する目安は、一般的には、38.5℃以上の熱が出てぐったりと元気が無い場合です。
また、熱の上がる途中でカロナールを使用しても、熱が上がる勢いに効果が打ち消されて、十分な解熱効果が見られませんので、熱が上がりきったときに使用すると良いです。
熱が上がりきったと判断する目安は、顔が赤くなって、体が熱くなり発汗が見られるようになった頃です。
効果の判定は服用後1時間は待ってみて!
臨床試験の結果より、カロナールの効果発現時間は、37.5%の方が15分、68.8%の方が30分、87.5%の方は60分です。また、鎮痛効果は、2~6時間持続すると考えられるとされています。
従って、個人差はありますが、服用後60分までには効果は見られ、効果は、2~6時間は持続すると考えられます。効果の判定は、服用後1時間待ってみましょう。それでも、効果が見られない・効果が不十分である場合は、投与量の変更、薬剤の変更を医師に相談しましょう。
風邪の場合は1日2回まで!
成人の場合、風邪による発熱や痛みに対してカロナールを使用する場合は、原則1日2回と服用回数が制限されていますので、注意が必要です。効能によって、服用量・服用法が異なるため、十分に気をつけましょう。
服用回数が多い場合は1日の総投与量の限度に注意!
頭痛や耳痛、腰痛、月経痛、歯痛などの適応の場合は、成人で1日総量は4,000mgが限度量となっています。風邪の解熱・鎮痛の場合は、成人では、1日総量は1,500mgを限度、小児では、1日総量は、1kgあたり60mgを限度として、成人の総量1,500mgを超えないとされています。1日の服用回数が多い場合は、1日の総投与量が限度を超えてしまわないように注意しましょう。
比較的副作用が少ないといっても、重篤な肝障害を起こすことがあります。この肝障害は高用量で起きやすくなります。そのため、1日総投与量が1,500mgを超える高用量で長期服用する場合は、定期的に血液検査等で肝機能をチェックしていく必要があります。また、通常量でも長期服用の際での、肝機能をチェックをすることが望ましいとされています。医師の指示の通り、用法用量をしっかり守って服用しましょう。
まとめ
カロナールを頓服間隔は、4~6時間以上あけることとされています。4~6時間以上間隔をあければ、何回服用しても良いというわけではなく、1日の限度総量が決まっていますので、その量を超えないようにしましょう。また、風邪の解熱・鎮痛には、成人の場合、原則1日2回までとされています。
カロナールは、比較的安全に使用できる薬といわれるのは、用法用量をしっかり守った服用の場合の比較的副作用が少ないということです。用法用量に従わず、短時間に連用したり、限度を超えた大量服用は、重篤な副作用を招く恐れがあります。服用の際は、医師の指示に従い、用法用量をしっかり守りましょう。