皆さんは副鼻腔炎、またの名を蓄膿症を経験したことがありますか?風邪やウイルス感染から副鼻腔炎に発展してしまう方も多く、早期の治療が大切です。
副鼻腔炎の症状の代表的なものの一つに嫌な臭いが挙げられます。そこで今回は、蓄膿症による不快な臭いの原因と対処方法をご紹介したいと思います。
蓄膿症による臭いの原因
まず、なぜ蓄膿症になってしまうのでしょうか。鼻の穴の奥には上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)という4つの空洞が鼻を中心に左右合計8個存在します。
これらはいずれも鼻の穴に通じており、正常時には体内に侵入した細菌やウイルス、アレルゲンとなる花粉などを鼻水とともに排出する働きがあります。しかし、風邪やウイルス感染によりこの副鼻腔炎という空洞部分のいずれかに炎症が生じてしまうことで副鼻腔炎に発展します。
原因はその他にも、なんらかの原因により鼻腔と副鼻腔の間の自然孔が腫れてしまうことも挙げられます。
蓄膿症の症状は主に、不快な臭いがする、粘性の高い鼻水、黄色や緑色の鼻水が出る、鼻づまり、顔面痛、歯痛、頭痛などさまざまなものがみられます。
この臭いというのが蓄膿症の症状でよくみられるのですが、この原因は炎症によって鼻水が排出されないことで膿がたまってしまいこの膿の臭いがすること、鼻水と細菌が混ざって不快な臭いを発してしまうことが考えられます。
また、そのほかにも鼻がつまることで口呼吸になってしまい、口臭をも引き起こします。口呼吸になると口腔内が乾燥するため、唾液の分泌が減り、唾液の働きである細菌を抑えるなどの働きが得られないため、細菌が繁殖することで口臭をもたらします。
蓄膿症による臭いの対処法
では、蓄膿症による不快な臭いにはどのように対処すれば良いのでしょうか。まずは、臭いの原因となっている蓄膿症の治療を行うことが先決です。
副鼻腔炎の治療には風邪やウイルス感染から蓄膿症に移行した急性副鼻腔炎の場合、鼻どおりを良くするための鼻洗浄を行います。そして、副鼻腔の炎症を抑えるために抗生物質を含んだ霧を口や鼻から吸引するネプライザー治療が講じられます。また、内服薬による抗生物質の服用も必要です。
それでも治らない、1ヶ月以上症状が続くといった慢性副鼻腔炎の場合、手術が行われます。手術はかつて歯茎や骨を切る大々的な外科手術が必要でしたが、近年は内視鏡技術が発達していますので、蓄膿症の手術でも日帰りから長くても1週間程度の入院で済むようになりました。
重度の蓄膿症の場合、副鼻腔内に鼻たけといわれるきのこ状のポリープがみられるため、内視鏡手術によって、ポリープを切除する手術や、鼻の構造に問題がある場合は、内視鏡下鼻内整復手術により、形を整える手術が行われます。
また、口呼吸にならないためにも鼻水を吸わないようにすることも大切です。
まとめ
不快な蓄膿症による鼻の臭い。解決するためには蓄膿症の治療を早めに開始することが重要です。我慢したり放置せずに、蓄膿症の症状がみられたら早期に耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。