大人が悩まされるというイメージの強い副鼻腔炎。しかし、最近では子供でもなってしまうことが少なくありません。
子供と大人では症状は異なるのか、治療法はどのようなものがとられるのかなど、今回は子供の副鼻腔炎についてご説明したいと思います。
子供の副鼻腔炎の症状
副鼻腔炎、蓄膿症という名前で知っている方もいるかもしれませんが、後者は正式な医学名称としては認めていません。
鼻の穴の周辺には副鼻腔という空洞が存在します。左右それぞれ4つずつ合計8個あり、それぞれの名称は上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)といい、これらのいずれかに炎症が生じることを副鼻腔炎といいます。
大人の症状としては鼻水、鼻づまり、嫌な匂いがする、味がわからない、鼻周りの顔面の痛み、歯痛、頭痛などが症状として挙げられます。
一方子供の症状も大人のものと変わらず、鼻水、鼻づまり、いびきに加え、症状を伝えにくいため情緒不安定になってしまうことがあります。
したがって、普段の様子と違う、鼻水が黄色っぽい、寝苦しそうなどの症状が続いているようでしたら、早めに耳鼻咽喉科の受診をしましょう。
子供の副鼻腔炎の治療法
もし、子供が副鼻腔炎だと診断されたらどのような治療が行われるのかみていきたいと思います。
まずは、詰まっている鼻水をスムーズに排出するため鼻洗浄を行います。詰まっている鼻水を吸引し、鼻の中をきれいにします。そして鼻の炎症を抑えるためにも抗生物質を含んだ霧を噴射し、口と鼻から吸い込むネプライザー治療を行います。
また、副鼻腔に膿がたまってしまうため、内服薬による抗生物質の服用も行われます。子供は大人と異なり、まだ鼻の組織が完全にできあがっていません。したがって、治りやすいのも特徴ですので、早期に治療を行うことがなにより大切です。
治りやすい一方で副鼻腔炎から中耳炎に発展してしまう危険性もありますので、鼻水を吸いがちになるのをなるべく止めて、ゆっくり鼻をかむように教えてあげることも親御さんの重要な役目です。
まとめ
子供の蓄膿症は風邪やアレルギー性鼻炎などから発展しやすいものです。しかし、早期に治療することで中耳炎などにかかるリスクを下げることができます。
普段と様子が異なるようでしたら、副鼻腔炎を疑い、早期に耳鼻咽喉科の受診をさせてあげましょう。