血友病は大きく二つに分類される病気で、血液凝固因子の中で「8番目のタンパク質(血液凝固第Ⅷ因子)」が欠乏または機能低下しているのが血友病A、「9番目のタンパク質(血液凝固第Ⅸ因子)」の欠乏または機能低下しているのが血友病Bです。ここでは、そんな血友病Aと血友病Bの違いについて紹介していきます。
血友病Aとは
血友病は、タンパク質が欠乏、あるいは機能しないことにより止血異常をきたしてしまう病気のことで、血液凝固に関わるタンパク質で8番目のものの欠乏、機能異常があるものが血友病Aです。人は出血した際、その出血を抑える止血機能が備わっています。血液凝固因子というタンパク質の一種の反応によります。
しかし、血液凝固因子のどれかに異常があると、血液凝固因子が活性化されず止血機能がうまく働かなくなってしまい、その結果出血しやすくなる、血が止まりにくくなるのです。
血友病Bとは
血友病Bは、第9番目のタンパク質が欠乏、または、機能異常をおこすことにより、止血異常をきたす病気です。 血友病では、血液凝固異常症により、出血が起こると血が止まらないという症状がでます。
からだの部位は、外傷のほかに、手足の筋肉や手足の関節、皮下、頭蓋骨内などの深部出血もあります。これらの症状や出血の部位などは血友病A・血友病Bではほとんどが同じです。血友病A、血友病Bは主に先天性と後天性があります。
とく全変異での発祥は30~40%といわれ、半分以上は遺伝によって発病しているとかんがえられています。血友病は患者が持つ凝固因子活性の程度によって重症・中等・軽症に分類されます。
正常な凝固因子レベルは50~150%といわれていますが、血友病患者の場合は、健常者よりきわめて低く、軽症で5%以上、中等症は1漢%未満、重症患者は1%未満となります。
2つの違いは?
血友病Aは血友病Bに比べ患者数が多く、その比率は「5:1」になります。血友病Aは全体の80~85%を占める割合になります。
症状はどちらも同じ出血の症状でありますが、血友病Bは重症型の割合が血友病Aに比べて少なく、中等症型と軽症型に属する割合が多く見られます。
血友病の治療は凝固因子製剤を注射で補充する「補充療法」が基本になります。事前に製剤を補充する、予防的補充療法や、定期的に補充する定期補充療法があり、この凝固因子製剤は血友病Aと血友病Bでは異なります。
血友病Aには第Ⅷ因子製剤、血友病Bでは第Ⅸ因子製剤を使用します。それぞれに細かな違いはありますが、血友病の症状と治療法としてはほぼ同じです。
まとめ
血友病は、遺伝が大きく関係している病気で、血友病A,血友病Bの2種類のタイプがあります。この違いは血液凝固因子の違いです。血友病は止血が困難な疾患であり、出血を未然に防ぐことが重要となります。同じ血友病でもタイプが違うと治療薬がことなりますので、どのタイプの血友病かを必ず知っておくことが大切です。