「盲腸(虫垂炎)」には「急性のもの(突発的に痛む、進行がはやい)」と「慢性のもの(徐々に痛む、進行が遅い)」があります。
というより症状の軽めのものは医師の判断次第で手術を行わない場合があります。(実は症状が顕著でない場合判断が難しいそうです)
最近は抗生剤が発達したことや手術による麻酔などのリスク回避などから手術しないで薬で対処する、一般的に散らすといわれる治療を行う場合も多くなりました。
その腹部の痛み、もしかしたら盲腸かもしれませんよ?
慢性化の原因
虫垂炎はそもそも、細菌もしくはウィルスなど感染菌がなんらかの理由で虫垂に感染することで起こる炎症です。
このときに何らかの理由(粘膜の成分が石化してできた糞石やバリウム、植物の種子が主なもの)で虫垂が閉塞されていて、行き場のなくなった細菌が化膿することで虫垂炎になるといわれています。
しかし、実際のところ、慢性的に炎症を起こす理由は、はっきりとは分かってはいないというのが現状です。
要因は「盲腸の手術をしていないこと」、「生活態度が著しく悪いこと」、「大腸菌が虫垂に写りやすい(大腸菌が虫垂炎を引き起こす場合がほとんどです)」程度のことしか断定できていないようです。
慢性盲腸の症状
代表的なものは下腹部、特にみぞおち部分からの痛みです。初期症状はこれと微熱ぐらいなので判断が難しいとされています。
時間がたつと右下腹部に痛みが移り、大腸菌不足による下痢のほかに、嘔吐などの症状が見られます。炎症が激しい場合は顕著に症状が出ますが、慢性化の場合、悪化せず現状の症状が続きます。
ただこれだけの症状で慢性盲腸とは現実問題断定できません。主な診断基準として、へそと右の腰骨を結んだ線を三分割して右寄りの部分を強く押されると激しい痛みが襲う場合、盲腸である可能性が強いとされています。
もしくは血液検査も判断基準となります、盲腸は炎症なので炎症を治そうとする白血球が多く分泌されるため熱はないが、なぜか白血球の数が正常でない場合は、盲腸の可能性が高いといわれています。
治療法(薬)
慢性盲腸など症状が軽いもの、もしくは別の病気や手術があるために手術ができない等の場合、薬、特に抗生物質で治療を行います。
基本的に入院の必要もなく経済面や時間拘束も手術に比べると大分有利な面もあります。ただ忘れてはいけないのは薬はあくまでも炎症を治めるのみで、再発の可能性も十分あります。
そのためか最近は何度も症状が出ると手術を勧める場合が多いようです。それもあってか現在、慢性盲腸という概念は昔に比べ少なくなりました。手術か、投薬かは現状や医師としっかり相談して決めましょう。
最後に
今回は、慢性盲腸の原因・症状・治療法(薬)について解説してきました。昔に比べると少なくなってきたとは言っても油断は禁物です。
盲腸自体は、細菌感染の他にも、便秘や胃腸炎、風邪や過労、暴飲暴食やストレスなどが原因となることがあります。規則正しい生活で盲腸にならないように気をつけてくださいね。