「踵骨棘(しょうこつきょく)」というのは、かかとの骨が何らかの原因で棘のように飛び出し、痛みを感じてしまう疾患です。
かかとの骨の出っ張りにある、足の指を曲げるための筋肉の付け根部分が、炎症を起こして痛んでしまうのです。では、なぜこのようになるのでしょう。今回は、踵骨棘の原因と治療法を見てみます。
原因一覧
足のバランスが悪い
扁平足や指上げ足により足指の踏ん張る力が衰えると、重心がかかとの方に片寄り、バランスが崩れて踵骨棘を発症します。かかとが内側に捻れるような動きになったり、かかとを多くつきすぎることが原因です。
加齢により発症
何も運動してこなかった人が、急にウォーキングやジョギングなどを始めると、足の裏にある足底筋膜に負担がかかり、炎症を起こして痛みます。
ホルモンバランスの低下
かかとの弾性組織が壊れ、石灰化とともに骨棘が出来てしまいます。これが長い時間続くと踵骨棘になり、棘のような骨が増殖して痛みが出てきます。
かかとをぶつける怪我
その他、外傷性のものとして、スポーツ中などに見られるかかとの怪我があげられます。
症状
特徴として、朝の起床時に痛みを感じます。かかとにチクチクした刺すような痛みや、ズキンとするような重い痛みが出ます。軽度の場合は、時間の経過とともに症状が緩和されてきます。
ひどくなると、歩く度に痛みを感じるようになり、歩行も困難になります。患部を押すと痛みが出て、触ると骨の出っ張りも感じられます。
治療
軽度の場合はレントゲンに写りません。触診で患部を押して診察します。進行するとレントゲンにはっきり写ります。ほとんど保存療法をしながら、自然治癒を待ちます。
- 朝起きた時のみの痛み場合は、様子を見る
- 歩くとき常に痛む場合は、インソールを使う
- 歩かなくても痛む場合は、湿布・塗り薬・内服薬を使う
- 我慢ができないほど痛む場合は、数回のステロイド注射をする
少し時間がかかっても自然治癒することが多いので、手術はめったにしません。約3か月-3年で治ってくるのです。
まとめ
最後に、踵骨棘になった人が日頃から気をつけることをあげてみました。
- インソールを使用してできるだけ安静を保つ
- 靴はひも靴で、クッション性の良いものを選ぶ
- 風呂に入った時などに足の指でグーパー運動をする
などがあります。踵骨棘は40肩や50肩と同じで、いずれ治ってきます。
しかし、痛みがどんどんひどくなっていくようなら、様子をみるように言われていても、再度整形外科を受診してください。他の病気が隠れている場合もあります。