耳管狭窄は、その原因となる病気の治療を行うと同時に、閉塞した耳管を改善させるために漢方薬を使用して治療をすることがあります。さて、今回は、耳管狭窄症におすすめの漢方薬について紹介していきたいと思います。
小柴胡湯
「小柴胡湯(しょうさいことう)」は、炎症効果を抑えることに作用を発揮します。抗炎症・解熱などの働きがあり、呼吸器全体的な働きを改善させて、最終的には体の免疫機能も調整します。そのために急性の扁桃炎や扁桃周囲炎に効果があります。風邪が進行した状態でもよく効きます。
また、小柴胡湯については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
香蘇散
「香蘇散(こうそさん)」は、虚弱体質の人に効果があり、風邪などの感冒初期症状に効果があります。感冒の初期症状でも頭痛や発熱、悪寒がある時に服用すると発汗させる作用があり、軽減することが出来ると言われます。
また、香蘇散については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
加味帰脾湯
「加味帰脾湯(かみきひとう)」は、本来は貧血や冷え性などに効果があり、消化器系の治療に用いられる薬です。しかし、消化器系の調子が悪くなると耳管をしっかり閉じる力もなくなるので、加味帰脾湯を飲むと効果があるのです。
また、体に冷えがあると循環を悪くさせ、耳管狭窄に良い影響がありません。そのために冷えを改善させて血流を良くする目的で、耳管狭窄の治療に用いられます。
また、加味帰脾湯については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
柴朴湯
「柴朴湯(さいぼくとう)」は、慢性の咽頭炎に効果があります。特に気管支炎などで痰の貯留を認めるような場合に効果があります。
気管の詰まっているような感じを和らげ、喘鳴や咳を軽減します。風邪が長引く時にも用いられることがあります。この柴朴湯は、半夏厚朴湯と小柴胡湯を合わせた薬です。
また、柴朴湯については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
半夏厚朴湯
「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」は、咽喉や食道に異物感がある時に効果があります。喉のつかえ感があると違和感があるために飲みこみ動作に神経質になることもあります。飲みこみ動作を頻回にすると耳の圧が変化するために耳管閉塞に良い影響はありません。
そのため、喉のつかえ感が減少させて、耳管狭窄を改善する方向に働きます。また咳やしわがれ声を和らげるほど喉に良い効果をもたらします。
また、半夏厚朴湯については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
漢方薬はその人の症状や体質を見て医師が処方してくれます。医薬品とは異なり生薬なので、効果はゆっくりですが、体質改善の点から考えられた薬なので、長期使用により徐々に効果が発揮されていくことが期待できます。また、生薬は副作用がないわけではなく、薬が合わない場合は、発疹や蕁麻疹などの副作用があることもあるので、注意が必要です。