ストレスを感じているとき、不安や不眠、のどの違和感など感じたことはありませんか。こういう状況の時、漢方医学においては「気」の流れが滞っている「気鬱」という状態であると考えます。
気の流れを改善させ、不安などの精神症状、およびのどの不快感などの身体症状に効果を発揮する漢方薬である「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」について解説していきます。
効果
半夏厚朴湯は体力中程度を目安として、気分が塞いで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまいや吐き気などを伴う諸症状に効果を発揮します。
気分を落ち着かせる作用や筋弛緩作用、鎮吐作用、去痰作用、健胃作用などがあるため不安神経症や神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、のどのつかえ感に用いられます。
また、場合によっては喘息、気管支炎にも効果があると見られています。喘息の患者さんのもつ「また発作が起こるのでは」というような不安感に効果を発揮するとも言われています。
成人は通常1日7.5gを2回~3回にわけて服用しましょう。また、食前に水またはお湯で服用します。1回量を減らせば2歳児から服用可能です。1包を分けて服用する場合は、開封後2日以内で飲みきるようにしましょう。
副作用
個人差はありますが、副作用として食欲不振や胃の不快感などが起こることがあります。発赤、発疹、かゆみなどもまれに起こることがあります。
いつもと違う症状が出た際には、すぐに服用を中止し、医療機関を受診するようにしましょう。医師の治療を受けている方、今までお薬で発赤、発疹、かゆみなどの症状を起こしたことがある方は服用を避けましょう。
1ヶ月ほど(つわりの場合は5~6日間)服用しても症状がよくならない場合は、服用を停止し、医師、薬剤師、または登録販売者に相談するようにしましょう。
まとめ
漢方薬は、自然治癒力を高め、緩やかに効果を発揮すると言われていますが、患者さんにあったものであると、ぴたっと症状が改善することもあります。また、漢方薬は生薬を原料としており、消化吸収のされ方が食べ物と似ているため、食事の影響を受けやすいと言われています。
そのため食前または食間(食後2時間以上後)のおなかに食べ物がない状態で飲むのが望ましいです。しかしながら、どうしても食前に飲めない場合などは食後に飲んでも特別問題はありません。
半夏厚朴湯は薬局やドラックストアで薬剤師および登録販売者から購入することができます。効果が感じられない場合は、ほかの原因が考えられますので、医療機関を受診することをお勧めいたします。手軽に手に入る市販薬ですが、ご自身の健康のためにも正しい服用方法を守りましょう。