悪寒がしたり咳やくしゃみなどは風邪の初期症状です。風邪をひくと胃腸機能が低下して食事がとれない等、症状がますます悪化することがあります。このような場合、漢方薬で症状が改善することがあります。今回は、「香蘇散(コウソサン)」の効果や副作用について解説します。
効果
香蘇散は、5つの有効成分を配合した漢方薬で、主に風邪のひき初めの症状や腹痛を伴う風邪、蕁麻疹、頭痛、めまい、神経衰弱などに効果を発揮します。
生薬の香附子(コウブシ)は胃を健康に整える作用があり、胃腸が弱い人の風邪症状に効果があります。蘇葉(ソヨウ)はしそ科の植物で体を温め、鎮痛・鎮静効果があり、消化不良や胃腸虚弱の人の風邪に効果があります。陳皮(チンピ)は胃腸を健康に整える作用があり、風邪症状や消化不良など胃腸障害に効き目があります。
甘草(カンゾウ)は体の緊張を取り除き、解毒・鎮痛効果で胃腸症状に働きかけます。生姜(ショウキョウ)は体を温め、新陳代謝を高めて胃を健康に保ちながら食欲を増進させ風邪を改善させてくれます。
漢方薬は体質により選びますが、香蘇散は体力がなく胃腸虚弱な方に適した処方になっています。1日の分量を2回〜3回に分けて食前又は食間(食後2時間〜3時間後)に内服することで効果が実感できるでしょう。
副作用
植物由来の漢方薬でも全く副作用が起きないというわけではありません。主な副作用には、胃の不快感や食欲不振、軽い吐き気などが見られることがあります。このような症状が強い時は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
また、薬剤でアレルギー症状を起こしたことがある方は医師や薬剤師に相談して適切なアドバイスを受けるようにして下さい。重篤な副作用が起こることは稀ですが、甘草の重複により偽アルドステロン症を起こす恐れがあります。
倦怠感や血圧上昇、浮腫み、体重増加、手足のしびれ、痛み、筋肉のふるえ、力が入らない、低カリウム血症など症状がある時は内服を中止して医師の診察を受けるようにして下さい。
漢方薬は効き目がゆっくりですが、長期間内服しても症状が改善しないときは内服を中止して医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
まとめ
香蘇散は風邪のひき始めや蕁麻疹などに効果のある漢方薬です。風邪をひかない為には栄養バランスの摂れた食事や規則正しい生活、たっぷりの睡眠などが大切です。
また、漢方薬で身体の中から改善して風邪をひきにくい身体にすることも可能です。風邪を引いた時はゆっくり休養して早めに回復するようにしましょう。